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ツノが生えた名探偵  作者: タイの煮物
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おはよう名探偵

私に『ツノ』が生えたのは、昨日のことだった。

風邪気味なせいか頭痛がひどく、その痛みもいつもの偏頭痛か風邪のせいだと思っていたのだ。

ところが、朝起きると、愛用していた抱き枕が血まみれになっていた上に、頭から血が滴り落ちてくる。

さすがにぞっとして、駆け下りるように二階の自室から一階の洗面所へといくと、鏡には取り乱した様子の私に、愉快な羊のツノが生えた姿がうつしだされていたのである。


思ったより出血していたのか、ツノの付け根にあたる耳の上あたりは、まだ鮮血にぬらぬらと光っていた。

寝間着のTシャツも再起不能な血まみれ具合にきまっている。

パンクといえば押し通せなくもなさそうだが、血の跡がついた服を着ていく自信はない。


そうだ、とにぎりしめたままだったスマートフォンを確認すると、午前7時10分と表示されている。

私はしがない事務員だ。

ごく普通に働き、ごく普通に帰宅する。

家から会社までは電車と徒歩で約40分程。

そう、つまり、もう用意をしなければ間に合わないのだ。


血まみれで通勤電車にゆられる自分を一瞬想像してから、さすがにそれは、と首を振った。


この時、私はせいぜい頭を洗って遅刻するくらいで済むと考えていたのだが、それは大きな勘違いだと、出勤後に気づくこととなる。

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