復讐開始
「相手を恨む。なんと素晴らしい感情なんだろう!」
0時00分。モニターから仮面の男の声が聞こえてきた。
「それでは相互復讐を始めます。ルールはご存知の通り。あと、ここでルールを追加させていただきますが、その部屋には『ゲームバランスを左右する物』が隠されています。それは見つけ次第説明いたします。復讐に用いる道具を見つけるより500倍難しいと思いますが、頑張って探してね。ではぁ、スタァァート!」
その声と同時に吉川の近くの壁から鎖に繋がった手枷と足枷が飛び出し、吉川の自由を奪った。
「な、何これ!?」
「ついに始まったか。今日でお前を完全に潰して人形で遊ぶようにお前で遊んでやるよ!」
「いやぁぁっ!!」
吉川の悲鳴が部屋に響く。
「さーて、まずは何をしようかな!」
それに続き田上の嬉しさ混じりの声が部屋に響く。
「まずはやっぱり道具に頼らず自分の体で最初はボコるか」
田上はそう言うと、鎖に繋がれた手枷と足枷に拘束されて立ち上がることすら出来ない吉川に近づき、蹴りを入れた。
「きゃあっ!!」
「なんでこんななってるかって思ってるだろ? それはお前が_____」
続いて顔面に蹴りを入れる。
「ぐきゃっ!」
「_____ああ! クソッタレっ!」
続いてみぞおちに本気の膝蹴りを御見舞した。
「かはっかはっ……はぁはぁはぁ……」
吉川は途切れそうになった意識に身をゆだねた。しかし、意識は途切れなかった。ここで意識が途切れていればという後悔が彼女を襲った。
「みぞは痛えだろ? 大概はこれで1発だ。男の場合は股間。特にキンタマを狙うのもいいと思うぜ」
そう言うと、田上は吉川から距離を取った。
「まだ10分しか経ってないけどまあいいか。本格的にいたぶってやるか」
田上は部屋を見回すと、黒くて大きめのタンスを見つけると、そちらへ歩いていった。きっとそこに復讐に用いる拷問器具が入っているのだろう。
「ははははははははははっ! ぎゃははははははははっ! ごっはごっは。調子乗りすぎたァ♪」
笑いすぎてむせた田上は、テンションが高かった。全てが自分の思い通りになる世界を手に入れたかのようだった。
黒いタンスを開けると、そこにはやはりいろいろな拷問器具があった。どれも相互復讐で見た事のある道具だった。
「何から使おうかな。この道具達で復讐地獄のマンマにしてやる。5日間じっとしてなきゃいけねーってのもジレってーけど、5日間はやり放題なんだろ?」
田上は独り言を言いながタンスの中を漁っていた。その独り言はとても不気味に聞こえた。
そして、田上は「これでいいや!」と声を上げると、中から三角木馬を取り出した。それを見た吉川は取り乱した。
「い、いやぁ! なんでそんなの使うの!?」
木馬責め。戦国時代や江戸時代、戦前の昭和でも使われていた拷問器具。股間を痛めつける道具で、その痛さはなんとなく想像できるだろう。石などを足に吊るしてもっと痛みを与えることも出来る。
「やっぱ最初はこーゆー有名なやつだよなァ!」
三角木馬を持った田上が目の前にくると、吉川は今から祓われる人間に取り憑いた悪魔のように喚いた。
「あああああいやあああああ! ぜったいにいややめて! いややあ!」
「うるせえよゴミ」
田上は、喚く吉川の髪を掴み、睨んで黙らせた。
「こっからが楽しいんだろ〜がよォ。俺の気分を害すんじゃねえよ」
こーゆーの書いてるのってあとあと黒歴史になりますよね。
まあ今を楽しめばいいんすよね。