誰に殺されたい? 出会い
「おはようございます!昨日はご迷惑おかけしてほんとにすいませんでした。」
「びっくりしたよ。怪我ですんでほんとによかったよ。もう大丈夫なの?」
「はい。すいません。」
「頭痛とかしたらすぐいうこと!
よし、じゃあ今日もがんばろう」
この会社の社長はすごく若くてわたしと
そんなに変わらないからかすごく親しみやすいし、なによりとても親切だ。
社長や、上司や後輩に昨日のわびをいれ
席に着くと隣の席のアキくんがわたしの
机に飴玉を二つおいた。
「え?」
「おはよう。
いらなかった?」
「いや、ありがとう。これ私が好きな飴だからびっくりしたよ。アキくんもこれ好きなの?」
「うん、まあね。おいしいよね。」
お昼休み。
わたしはいつも通り屋上にいき
お弁当を食べる。いつもは手作りだけど
昨日の今日でちょっとやる気がでず
コンビニのパンで。
「あ、」
屋上への扉を開けると今日は
先客がいたようだ。
「アキ君も、今日は屋上?」
「...っうん」
なんだかアキ君の様子が変だ。
とても来るしそうな。顔色もどこか
いつもより悪い気がする。
「アキ..くん?」
わたしが腕を伸ばすとぐいっとその腕を引っ張られすぽりとアキくんの胸に包まれる。
「え?なに?具合わるいの?」
「っはぁ。」
額に手をやると信じられない位熱かった。
「ねつ!熱あるよ!アキくん今日はもうらかえりなよ。」
「.....ねえ。仕事終わったら俺の家きてよ。なんか飲み物とかほしいな。」
来るしそうにそういうアキくんは
わたしの手を握りそういった。
いつもアキくんにはお世話になっている。だからそんなこといいんだけど
それよりもアキくんの額に浮かぶ汗が尋常じゃないから焦る。
「わかったからお医者さんにも寄って。ね?それともついていこうか?」
「..はは。子供じゃないから平気。
じゃあ俺、帰るね」
「うん。」