1/4
〜誰に殺されたい?〜
背中に張り付いたシャツと
額から流れ落ちる汗をそのままに
会社に向かう。
「あっついなあ」
思わず声を漏らしてしまうほどに
太陽がこの街を照りつけている。
喉がからからなのに気づき50m位先の
自動販売機に駆け寄る。
どうしようかな。と指で商品を
選ぶ。さいきんコーヒーばかりだから
今日は炭酸でも飲もうか。なんて考えていると突然後ろから大声が聞こえてくる。
「、げろ!!」
「え?」
その声は、なぜだかわたしに向けられたもののような気がして反射的に後ろを振り返ると見覚えのない男性が大声でなにか叫びながらこちらにめがけて走ってくる。
「あぶねえ!」
「え」
突如、視界から男性が消え
目の前には大きな看板が地面にめり込んでいた。
「っ、なに、これ」
周りが騒ぎ始め視界が鈍って行く。
あ、やばい会社に遅れる。
なんて消えゆく意識の中そう思った。