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育てた攻略対象が可愛すぎる4

御機嫌よう。私セルバートは13歳に、ガイ様は10歳になりました。私の天使はやんちゃの盛りでございます。今日も元気にターザンごっこをして池ぽちゃなうでごさいます。

「ガイ様ぁ!!」

私も飛び込みます。ガイ様はまだ泳げないのです。

「げふっが、ガイ様!大丈夫ですからね!お気を確かに!っごふ」

池に飛び込み溺れていたガイ様の首を抱えます。2人ともなんとか水面に顔を出せました。水泳など前世以来ですがなんとかなりますね。ガイ様はちゃんと呼吸している様ですがぐったりと元気がありません。早く岸にあげてあげなければ。岸辺に近かったのでなんとか足のつくところまで泳げました。

「どっせいっ」

ガイ様を抱き上げ岸まで歩きます。私は口から水を垂れ流しそれは鬼の様な形相でしょうが気にしてられません。水を含んだ服は重く、慣れない泳ぎで身体全体が疲れてきました。息も荒く、腕の感覚もあまりありません。なんとかガイ様を落とさないように彼を抱えます。ガイ様痛かったら申し訳ありません、少しだけ我慢して下さいね。

気づいてくれたのでしょう、使用人達が遠くから慌てて駆け寄って来るのが見えます。もう大丈夫でしょう。安心したら力がぬけまして、私はガイ様を抱えたままぺたりと座り込みました。

「ガイ様ぁ・・・はぁ、もう大丈夫ですから。ね」

びっくりしていたのでしょう、ガイ様は声も出さず泣いていました。可哀想に怖かったのでしょうね。ガイ様の目元を拭うと頬が少し冷たくなっていました。私に触れられてほっとしたのかガイ様は声を上げて泣き出します。

あやすために抱き起して背中をぽんぽんたたきます。服がびっしょり濡れて叩くたび水の音がします。まったくやんちゃに育ったもので、心配が絶えません。でも、そういえばガイ様も大きくなり最近は泣かないのでこんな風にあやすのも久しぶりです。そのうちこんな機会もなくなるのでしょう。

静かになったのでお顔を覗くとガイ様はもう泣き止んでいました。泣き止むのもずいぶん早くなりましたね。濡れて冷えたのでしょう、ガイ様の手が震えています。

暖めようとその手を握り、思ったより大きくなっていることに気がつきました。嬉しいような少し寂しいような不思議な気持ちです。

「何か温かいものをもらいましょうね」


握り返してくるこの手が離れる時はきっと来るのでしょう。その時までもう少し握ってくれているといいなと私は思うのです。

最低週1更新目指します!

20話はいかない予定です。

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