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育てた攻略対象が可愛すぎる3

※6/13一部編集。

御機嫌よう。私セルバートは8歳に、ガイ様は5歳になりました。可愛い主はただいま赤ちゃんがえりをしております。私に四六時中ひっつき虫ちゃんでございます。抱っこをねだられるたび腕も腰もぷるぷるしますが興奮物質が出ておりますので問題ありません。夜も死んだように眠れます。

「なぁセル。おれ庭で遊びたい!」

「このご本を読んだらいいですよ」

先日、母上が風邪を引いたので幼い弟の面倒を見る為しばらくガイ様から離れておりました。どうやら私を取られると思ったらしく、それからずっと私を離さないのです。お可愛いらしい限りです。せっかくですし、この期にお勉強があまり好きではないガイ様に励んで頂こうと思います。

「えーやだぁ」

「セルバートは大好きなガイ様のお声で読んで欲しいのです」

「・・・ぅー」

「知的な男性は素敵ですよ」

「んー?」

まだ難しい言葉が苦手なガイ様です。社交界でお困りにならないよう早めに勉強するにこしたことはありません。

「お勉強ができるガイ様がセルバートは好きでございます」

「うぅ・・しょうがないなあ」

渋々承諾するガイ様。ソファーに私が座りますとガイ様が飛び乗って来ます。いささか痛いですが愛しい主人です受け止めてみせましょう。膝にガイ様を乗せ、本を持つのは私の仕事です。ガイ様はたどたどしいながらも文章を読み、ページをめくります。

本は伝記などを集めた小話集です。ガイ様の好きな騎士や英雄の出てくるお話が沢山載っています。荒事のお話ですが言葉遣いも丁寧な本なのでお子様にも安心して読ませられます。所々挿絵もあるので飽きませんしね。

「セル!おれもこの騎士の逆十字炎火覇道烈切りというのをやりたい」

たまによく分からない技名が付いていますがガイ様の食いつきが良いので置いておきましょう。途中からとても楽しそうに読んでいますし。

読書が終わったら運動のお時間です。ガイ様とお庭に繰り出し、先ほど読んだなんとかという技の練習です。童心にかえりますとチャンバラごっこ楽しいものです。

くたくたになったら2人で芝生に寝転がります。初夏の芝は柔らかく気持ちが良いです。ころりころり芝生を転がりながらまた疲れるまで笑います。なんでか分からないですけれど楽しい年頃なので。

そろそろお屋敷に戻る時間です。ガイ様の服をぽんぽん叩き草を落とします。木剣を腰に挿してあげ、手を繋げば準備完了。帰る道すがら満足して頂けたのでしょう、ガイ様もにこにこ笑っておられます。夕日に照らされた金髪はきらきら、青い目は楽しそうに私を見ています。

「ガイ様、楽しかったですね」

「うん!」

ぎゆっと握られた手はほかほかと暖かく、とても幸せな気持ちになります。ああ、今時が止まったらどんなに幸せでしょう。でも私は欲深いのでもっともっとガイ様の笑顔が見たい気もいたします。出来たらずっと笑っていて下さいね私の可愛い主人様。


この後、本格的なお勉強をガイ様は始めましたがちゃんと嫌がらずに励まれています。今日どんな事を学んだのか話してくれる顔の可愛いこと。ガイ様のためのお勉強なのに私の楽しみが増えてしまいましたね。

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