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育てた攻略対象が可愛すぎる

はじめまして。勢いだけで書いております話ですが、お楽しみ頂ければ幸いです。

ご機嫌よう。私姓はケディック、名はセルバートと申します。今時流行りの転生人生を送っております。しかも運のいいことに好きだった乙女ゲームの世界なのです。そして大好きだったキャラクターのケディックに転生致しました。私以前はマイナーキャラを愛しておりまして、セルバートも攻略キャラの従者という立ち位置でございます。色白の痩身、つり気味の糸目に濃紫色の髪は胡散臭抜群で十代の乙女心をくすぐられたものです。自分がなってみると複雑なのですけれど。そしてもっと複雑なのが我が身でございます。セルバートは確かに男性だったはずなのですが、前世が女性だったせいでしょうか。女性器も付いております。え、それどんな特典ですか。さんざ薔薇にふたなりなど破廉恥な妄想三昧していた報いですか。今から第2次成長が恐ろしいです。…そう実はまだ私3歳児なのです。髪型もまだおかっぱとそれはもうセルバートクラスタ垂涎の可愛さでございます。

「あら黒すぐりちゃんたら緊張感しているの?」

「はい。きんちょうちてるのです。」

黒すぐりとは彼女が私を呼ぶ時の愛称です。髪の色からでしょうかね。私の手を握り、優しく微笑まれている金髪碧眼の美しいこの女性はこの家の奥様です。2番目のお子様を出産するためご実家に戻られていたのですが、母子ともに先日お帰りになりました。先ほどご長男と私の兄が私を泣かせて遊んでいたのを見かね、赤ん坊を見ないかと誘って下さったのです。まったく、3歳児の玩具を取り上げるなどなんて非道な行いでしょうか。大泣きして抗議致しましたが優しい奥様に手をつないでもらえたので大目に見て差し上げます。

しかし、赤ん坊とはというより自分より小さな方とは初対面なのでとても緊張感します。実はこの赤ん坊が私の主人(あるじ)になります攻略対象なのですが、彼の後方にいるセルバートばかり見ていたのでうろ憶えです。ぶっちゃけ脳筋系騎士野郎とかあんまり好みで無かったのでこれからお仕えする身としていささか心配です。私は彼をちゃんと支えられるでしょうか。

お部屋につきますと可愛らしい子供用のベッドがございます。しかしながら私の背では赤ん坊を見れないので奥様が私を椅子の上に抱き上げてくれました。恐る恐る小さなベッドを覗きます。しかし、どんな美男でしょうと赤ん坊というものはアレです、生まれたてはサルに似ているという・・・

「おくたま!てんちたまがいます」

「まぁまぁそんなに目を見開いて。ふふ・・・あら?セルバートの瞳は黄色だったのね〜」

3年のお付き合いにして奥様が初めて私の瞳を見たという驚愕と、私ってそんなに糸目なのですかという思いもさっと消えました。なぜならセルバート3歳、天使の様に可愛らしい赤ん坊に夢中なのですから。奥様に許可を頂いて赤ん坊に触らせて頂きます。大麦色に輝く髪や、ぷくぷくとした頬のなんと柔らかく気持ちが良い事でしょう。私のおバカ。生まれた時から筋肉まみれなわけがございませんのに。しかし、この子がたとえどんな筋肉超人になろうと私好きになれる気が致します。ええ、きっと一生離れないでしょう。ああ可愛らしい子でございますね。


「ぜったいわたちがしあわせにちてさしあげまつからね!」


ビバ☆脳筋系騎士様でございます!主人様、このセルバートがきっときっと幸せなエンディングに導いて差し上げますからね!

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