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優勝して魔女は奴隷を買う

祝、優勝。

見事勝った私は賞金片手に有休を取った。

お願いしたら断られると思ったのに、王家の土地付きで好きなだけ休んでいいとのこと、気前がいいな王様。

また、なんか最後の試合で杖なしで魔法を使ったのを見てまわりが賢者の再来だって騒いでるらしい。

なんかそういうのもあったね、お爺様が遠い目になってたのが印象的だった。


「さぁ、夢のマイホームを作るぞ」

「おぉー!」


その日、私は王家が管理する土地だった場所に降り立った。

そこは元々、なんたらさんの土地だったらしいんだが昔の粛清がなんたらで要するに故人の物を国で管理していて、余っていた場所なんだそうだ。

いつの間にか、ニートから賢者、宮廷魔法使いになって領主にジョブチェンジである。

もう好きにしていいとのことなので、法に触れなきゃ何でもしていいみたいである。


「取り合えず、全部魔法でハイテクにするから」

「分かりました」


領民とかいるらしいけど、知ったことではない。

税とか自給自足できるからいらないので、何にもしない代わりに税は取らない。

そういうことを伝えたら領民は大喜び、今まで働いていた役人はどっか行った。

まぁ、一応それって飢餓とか盗賊とか問題が発生しても責任取らないということだけどね。

その辺理解してるかな、馬鹿だからしてなさそう。


まずは全部黒曜石で作ろう。

黒曜石で建造する、ゲリラ対策だよ。

家に火とか弓矢とか来たら怖いからね。


次に大浴場、プール、庭園、池。

イメージできる大富豪っぽい物を作っていこう。

魔法ってイメージで何でも出来るからスゴイね。


「セレス様、どうして池が二つある?」

「そっちは魚を放流するんだ。コイとか」

「食べるの?」

「食べないよ!」


寧ろ餌を上げて高笑いする方だよ。

次いでに地下室と実験室と書斎も作って……特にもうないな。


「やることなくなった」

「僅か五分でマイホーム完成」


普通は魔力が切れそうになる度に休憩して職人が半年掛けて作るらしいけど、私に掛かれば五分ですよ。

私の魔力量ハンパないからね、これも毎日欠かさず一日一回は昏倒しているからだ。


「次は?」

「奴隷だ」


この広い家に一人は、寂しいもんな。

ということで、馬を出せ!町に行くぞ、奴隷だ奴隷を出せ!




しばらく領地を歩いて農地から馬を借りて、セレスと王都に向かう。

馬が引くのは黒い馬車、セレスの背中から出た悪魔が形を変えた物である。

因みに行者は天使の方、お前ら着脱可能だったんだね。


馬が進んでいく先は貴族の住む場所に近い。

別に奴隷はどこでも帰るけど、高いほうが質が良かったりレアだからね。

そういうものは、貴族街にいい商人が店を構えている。


レンガ造りの町並みを進み、貴族の邸宅の立ち並ぶ手前。

平民達のいる場所と貴族のいる場所の中間に位置するそこは、商店が並ぶ場所である。

その一角、保護呪文を掛けられ新築同様の輝きを放つ一軒のお店。

そこは、私が良く使う奴隷店である。


「いらっしゃいませ」

「今日はいつもと違って、レア物を買いに来たの。見せて頂ける?」


あれ、いつもの奴じゃないの?と一瞬店員の顔が変わったがすぐさまスマイルに切り替わる。

うむ、お客に心情を悟られるとはまだまだよのぉ……


「これはこれはセレスティーナ様、良くぞ足をお運びに。ささっ、レア物でしたらとっておきの物がございます」

「まぁ、店長。都合良くレア物がいますの?」

「えぇ、えぇ、セレスティーナ様が領主となりまして直轄地を陛下から賜ったことは今や商人の間じゃ有名でございます。そこで私、恥ずかしながら調達してまいりました。いやぁ、大変でしたがきっとご満足頂ける事でしょう」


そう言って、私を案内するのは馴染みの店長である。

うさんくさい笑みを浮かべるが仕事は一流。

ボヨンと中年太りしたオッサンだが、それがいいのだ。

太っていると言うことは儲かっている、太っていることは金持ちのステータスとこの国ではなっているからね。

不思議な価値観だが、貴族の男はみんな鍛えるかデブになろうとするかのどっちかだ。

貴族でもないのに、太っている商人ということは彼は貴族並みに金持ちだぞということを周囲に喧伝したいということなのだ。


「店長、また太りました?」

「お恥ずかしながら、これもセレスティーナ様のご尽力があればこそでございます」

「私なんて安い買い物しかしないのに、そう言って頂けるとありがたいですわ」


いや本当、取り扱ってないのに他の店まで回ってもらって、廃棄寸前の安物を数百単位で集めて貰ってるからね。

沢山買うとは言え安物を大量買いって、手間が掛かるのに利益は少ないだろう。

まぁ、だから贔屓しているんだけども。


「今すぐでしたら、二百までは用意できますが」

「安物は百で、今回は大きな買い物ですから節約しなくちゃね」

「かしこましました。さて、此方になります」


店の奥へと私は案内されて、薄暗い部屋へと入った。

どうやら、店頭に出す前の保管庫と言う位置づけの場所らしい。

つまりは、他の客に出す前に見せてくれたって事か。

店長はその大きな身体を急いで動かし、一つの檻の前に移動した。

もったいぶってるのか、布が被さっており難い演出である。


「では、此方をご覧ください」

「おぉ、おぉ……店長、これは」

「ふふふ、苦労したんですよ」


するすると布が取り払われる。

其処にいるのは、レア物の中でもレア物。

亜人種の幼女、詰め合わせだった。

檻の中には、中学生程度の大小様々な亜人がいる。

人間種の魔法使いとか異民族程度のレア物だと思ったら、私がエルフとか欲しいって言葉を覚えていたのか亜人という人間種より入手困難な物を用意してくれていた。


「スゴイね、エルフにドワーフ、こっちは獣人か。猫も犬も狐もいるね」

「リザードマンやオークもいましたが、そういうゲテモノは除きました」

「当たり前だよ、知能があっても同じ姿のモンスターがいるじゃん。私には同じに見えるよ」


この世界の亜人にはゴブリンやオークもいる。

彼らの言い分は、一緒にするなという感じだが見た目はまったく変わらない。

チンパンジーとゴリラは違うみたいに言ってるみたいだが、私に言わせればどっちも猿。

そういう感覚である。


「でもお高いんでしょ?」

「いえいえ、もう仕入れねよりも高く買っていただけるならいくらでも構いませんよ。その代わり、今後ともご贔屓にお願いします。あと、国内最高の宮廷魔法使いのお名前を使ってもよろしいですか?」

「もう、最高金賞でも何でも上げちゃうよ。ルミーナ、お金」


私の指示に従ってルミーナがポンと、金貨の詰まった袋を渡す。

後はあっちで御つりまで計算してくれるから問題ない。

いやぁ、普段の数倍の値段だったけどいい買い物したな。


「良かった良かった、私以外ならバラバラにして実験だったからね。こんなに可愛いのに解剖とか最低だよ」

「中には愛玩目的のお客様もいますから一概には言えませんが、そうですね」

「私はそっちのタイプかな。それじゃあ店長、安物は輸送しといて下さいまし、料金は勝手に引いといて」

「かしこまりました。それでは亜人種の檻ごとお買い上げと言うことで」


そう言って、店長は買い上げた数十体の奴隷に首輪のサービスまでしてくれた。

結構高いのに、それを全部タダなんて太っ腹だな。

まぁ、エルフからドワーフ、獣人まで夢が広がるな。

今夜はベッドでイチャイチャするんだ。


「またのご来店をお待ちしております」

「ではまた来ますわ!」


そして、私は色々な亜人種の幼女達を手に入れた。


「ほんと、亜人種は最高だぜ」


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