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ウォーター国創世記  作者: 雪香
4章―国造りと花園の国―
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外務大臣の独り言

ナント・セクスハイム視点。短めです。

宰相アルバンドは、本当に大丈夫だろうか?


ウォーター国外務大臣となったナント・セクスハイムは不安そうに眉を下げる。


各地に配置している部下の情報では、各国の使者はウォーター国の祝立日に向けて出発しているそうだ。


祝立日は2日後、王の体調によっては側近と宰相が使者を迎えなければならない。


陛下は、思った以上に聡明な様子だった。


祝立日の話を真剣に、しかし冷静に聞き、何を為すべきかを導いた。病にタオレタ後は、官吏達に仕事を続ける様に指示をした。


やれやれ…。

自分が十代の頃は、下級官吏をして四苦八苦していたというのに。


だからこそ、アルバンド・ライトークの様子は気になってしまう。


祝立日の事も、初めに気付いたのはエリリィア殿であったし。

休眠を摂らず、移住者の名を書き入れる事ばかりに専念していた…。


アルバンドの最も欠けているのは、王との時間である。


宰相と王の話し合い、良好な関係は国作りに大きく影響していくと言われている。


はたから見てもアルバンドは、王に対しての積極性が足りない。


王が目に入れば挨拶に飛んで行くユーチェロ、ネルビア殿を立てつつ騎士団の事を王に何度も相談するメーリングとも違う。


忙しさにかまけ、王との関わりを蔑ろにしてはいないか?


確かにケープラナでは、王と関わる必要の無い宰相だったが…。



更に、王が『沸死病』に倒れる寸前に、王と言い合いをしたと聞いた時は、思わず目眩がしたものだ。


流石に滅多に表情を変えないシュラ・シークラッツ殿すら、限界が来たらしくアルバンドを呼び暫く話し合っている姿が見られた。


今さらながら、シュラ殿が宰相でアルバンドが宰相補佐の方が良いのではと思ってしまう。


アルバンドはケープラナの恩人に対して対応がなってない。


溜め息を吐き、祝立日の準備を進めつつ考える。


本来なら、国という物は10年かけてゆっくりと基礎を作る物だ。


10年かけて、やっと村の様な物が出来上がり、官吏が10人程度居れば良いと聞く。しかし、王の好意で一万人を一気に住まわせ、国を廻す為に信頼関係など無い他国官吏を受け入れたのだ。


後から聞けば、アルバンドは「陛下が一部の者を優遇する事」も意見してしまったようだ。


あのシュラ殿がキレていたわけだ。


王になったばかりの者が、まずは限定して信頼関係を構成するのは至極当たり前の事である。


ケープラナの元官吏と同等に扱えなど、王を悩ませるつもりか?


この恩知らずが!と一発殴りたいが、病の王が知ったら悩ませるだろうから、するわけにいかない。


もしも…

本当にアルバンドがウォーター国の宰相をする気があるのならば、本気で陛下の信頼を得なけれならないだろう。







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