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ウォーター国創世記  作者: 雪香
3章―ケープラナ動乱編―
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いざ、ケープラナ



一通りトレガーの事を話し終えると、サイラが顔を上げた。


「じゃあ、俺も二人と一緒に行く。女と雌だけじゃ危ないだろ?」


サイラの言葉に、紗季は少し思案顔になる。


ん~

確かに来てくれると心強いけど…


「…あのさ、サイラは国に残ってくれない?」


「…何故?」


不思議そうなサイラに、紗季は続けた。


「サイラがここの官吏をしてくれるなら、城の内部を把握したり、どんな仕事をしたいか考えて欲しいんだ。」


「…そっか。サキがそう言うなら。」


サイラは大きく頷く。


紗季はそれに微笑み、他の二人に向いた。


ネルビアは紗季と目が合うと、 すぐに口を開いた。




「…俺は着いて行っても良い?ケープラナに行った事あるから手伝えるよ?」


あ、行った事あるんだ。


へぇ、と呟き紗季は頷いた。


「分かった。ネルビアは一緒に行こう!」


それを見ていたレビュートは、難しい表情を浮かべて紗季への距離を縮める。


「…俺も行く。お前を知るためには、行動を共にしたい。」


ネルビアは、あからさまに嫌そうに顔をしかめたが、紗季は一瞬目を丸くして直ぐ答えた。


「…別に良いけど。」


いや、でもネルビアと喧嘩しそうだなぁ…。


少し不安になったがセラの事を考えると、ぐずぐずもしていられない為、出発を決める事にした。


「じゃあ、行こう!」





そう言って足を進める途中、紗季は思い出した様にサイラにかけ寄った。


「そうだ、此処にはルピアっていう魚人の官吏が1人いるの。だから、彼と会って貴方の事とか説明しといて?」


城は広いから、探すの大変だろうなぁ。


「分かった。任せてくれ!」


元気に返事をしたサイラにほっと安堵し、紗季は待っている三人の元に向かった。


城を出ると、セラがすぐに翼を大きく広げる。


「では、ケープラナに参りましょう!」


「あ、うん!」


紗季が頷くと、ネルビアが不意にそれを制した。


「ちょっと待って?」


「どうしたの?」




何か忘れ物?


振り返り首を傾げた紗季ではなく、ネルビアはセラに顔を上げた。


「何でケープラナへ?クデルトじゃないの?」


ネルビアは神が言ったクデルトを目指さないのに、違和感を感じたのだ。


セラはそれを察して、深く頷く。


「…確かにキリス様はクデルトに向かいましたが、実際はケープラナに行くからです。」


ん?

あれ?どゆこと?


セラは紗季に顔を向けた。


「キリス様はクデルトで用を終えたら、ケープラナに行くと行っていたのです。だから、今頃はケープラナの筈なのです。」


…ふぅん。


黙っていたレビュートが口を挟んだ。


「…用事とは?」

その疑問に、セラは表情を暗くした。


「…私には分かりません。キリス様は教えて下さいませんでした。」


意気消沈したセラに、紗季は明るい口調で返す。


「まぁ、分からないなら仕方ないしね!とりあえず、ケープラナに行こっか?」


紗季の言葉に、場の空気は明るくなりセラは笑みを浮かべた。


「…はい。行きましょう!」


そして、皆はセラの背に乗り込んだのだった。






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