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ウォーター国創世記  作者: 雪香
1章―はじまり―
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ルピアの役職

ルピアと共に、ウォーター国の城へと戻った。


初めて見る城に、ルピアは物珍しそうに辺りを眺める。


ルピアは辺りを見渡していたが、何かに気付いた様に足を止めた。


「…あの、陛下。」


…ん?


「何?」


そんなルピアに首を傾げた。


「…え、いえ。不思議に思いまして…土地以外、何も無いのですね?」


ああ、と紗季は頷いた。


「だって、まだ国民居ないし?街も何も作れないでしょ?」


当たり前じゃん。

そう思うと道程長いなぁ…。


紗季の言葉に、ルピアは何故か首を振った。


「いえ。そうではなく……民以前に、動物や昆虫の類いも見かけないので…。」


ルピアの言葉に、紗季は周りに目を向けた。


そういえば…

山では見られた、小さな動物とか虫とか見かけないかも…。


少し思案したが、紗季はすぐに考えるのを止めた。


まぁ、いいや。

後で神に聞くか…。


そう結論づけ、ルピアを促して城に入った。


城内を歩いている途中、ルピアが思い出した様に口を開く。


「…そういえば陛下。私は上級役人という役職を賜りましたが、主にどういった仕事内容になるのでしょうか?」

(…私などに務まるのだろうか?)


…そうだよね。


紗季はため息を噛み殺し、ルピアに視線を送る。


「…ルピアって、政とか判る?」


それに対して、ルピアは申し訳無さそうに頭を振った。


「すみません。魚人族は、人里離れた場所に暮らしていましたので…」


しゅん…と項垂れたルピアに、紗季は軽く肩を叩いた。


「ああ、気にしないで?私こそ何も知らない人だから。」


この世界のことも、全く分かりませんしぃ?


紗季は、まだ気落ちしたルピアに話しを続けた。


「じゃあ、ルピアにして欲しい事が思いついたらすぐに言うわ。」


「!はい。ありがとうございます。」


本当に嬉しそうなルピアに、紗季は思わず苦笑した。


…むしろこっちが感謝したいくらい…

こんな何も無い国に来てくれて…。


そんな思いの中、城内を歩いていて声を上げた。


「あ、そうだ。」


「え?」


ルピアはキョトンとした。

既に二人は執務室の前までやって来ていた。

「見取り図作ってくれない?…あと、ついでに水回りも調べて欲しい!」


「…見取り図?」


紗季の科白に、ルピアは不思議そうに続けた。


紗季はウンウンと頷いた。


「私、まだまだ城内を把握出来てないんだよね。だから、城内の見取り図作ってくれると助かる。」


ルピアはふわりと微笑む。


「承りました。あと、水回りとは?」


…そう。

これは切実。


「うん。私お風呂に入りたいんだけど、城の風呂の造りが分からなくて、使えないんだよね?

だから、後で見てくれない?」


ルピアはそれにも快諾した。


紗季はほっとした後、また足を進めた。


「よし、じゃあ後は、ただ1人の仮側近を紹介しよう。」


「仮側近ですか?」


うん、と頷いた。


「まだ、正式じゃないからね。あ…でもその前に食事にしようかな?」


作るのめんど…と紗季が呟くと、ルピアがやんわりと返す。


「陛下が作るなどとんでもない!…是非私に作らせて下さい。」


…マジか!


「ありがと。助かるよ!」


にこりと笑った紗季に、ルピアは頬を赤らめてはにかんだ。


「いえ!陛下に役立てるなら本望ですから…」


そう?と軽く流して、紗季は食料庫と調理場の場所を教え、ルピアと別れた。

向かったのは、トレガーのいる部屋である。






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