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習慣

 校舎から数十分歩くと寮が立ち並んでいた。寮はレンガで建ちならんでいた。全く同じアパートが並んでいる光景を見ているとリサが「じゃあ皆んなまた明日」といい女子寮の所に向かった。


 暫く歩いていくとガイルとユーリも部屋に向かっていった。俺は一番端にある場所の五階建てのアパートだった。


 俺はアパートの五階の四号室に入った。中に入ると完全に完備されている。小さなキッチンもあればベットも完備され、シャワールームもある。勉強できる机もある。今まで様々な場所に住んでいたが、これほどまでに部屋が整っている所はなかった。流石、国が教育の為に建てた学園だ。


 俺は、部屋の中を物色すると同時にカバンの中を出してロッカーに服を入れたりと整理をした。キッチンには必要最低限の水と簡易パンが置いてあったので食べた。


 その後、部屋の中で適当に過ごした。シャワーに入ったり、本を読んだり勉強していた。時計を見ると寝る時間になった。俺はベットで横になっていた。


 今までだったら自分で身の回りの世話をしていたが、ここなら俺が空腹で死ぬこともないし、盗みをして逃走しなくてもいい。ここまで這い上がってきた…。と目をつぶって頭の中で昔の事を思い出した。


 だから、ここでも這い上がるのは当たり前だ。


 底辺クラスという圧倒的に弱者から這い上がる為にはクラスメイトから形だけでも信用してもらえる必要がある。


 信用されると俺に頼んでくれる。その報酬として食べ物を奢ってもらえた。でも人間はそう単純な生き物じゃない。ただ俺を犯罪の片棒を持たされることもある。要するに使わされたこともある。だからこそ強さが必要だった。その為に魔物相手や人間相手を教科書として学んでいった。そして頭脳も本を読んだり経験で手に入れた。


 その頑張りの結果、使わされる事よりも人を使う側に回ることだった。


 この先、俺は自分が生き残る為にありとあらゆる出来事に備えるとしよう。


 俺は、ベットで深い睡眠を味わった。


 ーーーーー


 朝早く目覚めた。


 時計を見ると五時だった。


 俺は、起きてランニングに行く準備した。


 寮から出て校内の外周を回るルートで走ることに決めて走り始めた。


 一定のリズムで走っていると、俺の前にガイルよりは淡い赤色のロングヘアーの女子が走っていた。


 俺は一定のペースで走っているので、このままだと彼女を抜かしてしまうと考えた。


 俺は少しだけペースを落とした。


 しかし彼女は、疲れたのか歩き始めたので、俺はペースを戻して走った。ペースを戻した俺は前で走っていた人に「おはようございます」と挨拶して走り出した。すると立ち止まっていた彼女は僕の後に頑張ってついてきた。俺はリードするようにペースを考えて走った。


 外周を十五分で走りきった。俺は呼吸を整えていると後ろにいた彼女も走り切ったのかその場で倒れ込んだ。


「走るの速いね!」と話しかけられた。


思わず綺麗な琥珀色の目に惹きつけられそうになった。


「習慣で走るように心がけているからな」


「やっぱり習慣は大事なんだね!」といいながら起き上がり俺の方を向いた。


「自己紹介が遅れたね。私は一年のセリア・フィードよ」


「一年のアレン・ロウだ」とこちらも名前を言った。


「これからもよろしくねアレン!」と言い残し彼女は寮へと戻っていった。


 セリアの綺麗な淡い赤色の髪を無意識のうちに見ていた。


(朝から奇妙な交流が出来るとは思わなかったな)


 俺も寮に戻り、シャワーを浴びて汗を流して校舎に向かった。



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