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試験当日の朝

 試験当日の朝五時頃、外は明るく気温も暑くなり始めている。


 俺は、試験当日だからと走る習慣を止めることはない。


 いつも通りの時間に向かうとセリアがストレッチをしていた。


「おはよー」と彼女は俺の存在に気付くと真っ先に挨拶をした。


「おはよう。今日の試験頑張ろう」と言った。


 昨日、彼女の口から「試験に出場するから」と口にしていたので平民クラスの出場メンバーの一人はわかった。


「私たちのクラス負けないからね」


「俺も負けない」


 そう言い終えるとお互いの健闘を祈るように握手をした。


 それ以上何も言わずにアレンとセリアは走り出した。


 ただ何も考えずに誰かと一緒にいる事が出来る空間はこの朝の習慣しかないかもしれない。俺はこの時間を大切に思いながら校舎を一周した。


 走り終えて息を整えていると、セリアが水分補給を終えて話しかけてきた。


「ハァハァハァ…ねぇロウくん。明日予定ある?」


「明日?休日だから暇だけど…」


「じゃあ明日、噴水広場に十時頃集合ね」と笑顔を向けられた。


 セリアは汗をタオルで拭き終えると寮へ向かって行った。


 俺は彼女の背中をただ見つめる事しか出来なかった。


(な、何だ?この胸のざわつきは…一体どうしたんだろう)


 一瞬感じた胸のざわつきを考えないようにして寮へと向かった。


 ーーーーー


 朝、ガイルとユーリと一緒に教室へ向かおうと寮から歩いて校門を通ろうとすると見覚えのある金髪の男が立っていた。


 その男は俺の存在に気づくと近づいて来て話かけてきた。


「今日という日を楽しみにしていました」と朝から目を輝かせているレオン・スクロフトに捕まった。


「何かようか?」


「毎回思っていたことですが、君はレオン様に敬意を持っていない話し言葉をしているように思える」とイザベラ・グレイスが言った。


「俺は誰であれ平等に接しているように心がげています」


「底辺クラスの落ちこぼれが、レオン様がいなかったら差別主義になっていたんだ。だからこそお前たちにはレオン様に感謝をしないといけない!」


「まぁまぁ、イザベラ。僕は気にしてないから」


「気にしてないって…だから目の前にいる奴はレオン様をなめられるんです」


「心配しなくても今日勝てば問題ない話だ」と言うとレオンはイザベラの頭を撫でた。


「それにしても残念だよ。人狼の君と戦えないのは…」とガイルの方を見て話しかけていた。


「そんな、俺は弱いですよ」


「そんなことは知っている。ただ僕自身が人狼と戦ったことがないから気になっていただけだ」と答えた。


「僕の退屈しのぎとして楽しませてよ」と言いその場から行こうとしていたところをアレンは止めた。


「今日の試験で何も賭けないのか?」


 その言葉を聞いたレオンは立ち止まり俺の方を向いて「必要ない。前回で君は思ったより負けず嫌いな一面もあると思ったからね」と言い残しその場から行ってしまった。


「何なんだアイツは」


「アレン君。レオン様はただ挨拶したかったんじゃないですか」


「違うだろ」


「まあいい。行こう」


 俺たちも校門前で突っ立っていると邪魔になるので教室へ向かった。


 教室に入るとクラスメイトは俺の事を期待の眼差しで見てきている。


「絶対に勝てよ!アレン」


「頼むからロガを稼いできてくれー!」と他力本願の奴らの声援が聞こえてくる。


 俺が席に座ると隣の席に座っているリサの表情が硬かった。


「緊張しているのか?」


 俺に話しかけられたリサは驚いていた。


「だ、大丈夫」と答えた。


(心配だな)


 こうして時間が過ぎるのを待っているとカナ先生が来てすぐ、「闘技場(コロシアム)へ案内するから並んできてほしい」と言われたので俺たちはカナ先生の話の言う通りに行動した。


 他の学年も向かっており全校生徒全員が集う場面は中々ないと思っている。


 俺たちが来たのは闘技場(コロシアム)フロアの一階だ。周りを見渡すと他クラスの奴らもいた。おそらく学年で階層を決めていると思っている。


「まさか、こんな間近で観戦出来るとは思わなかった」


「本当ね。私も見ていて学ぶことがありそうね」


「僕も見てようかな」


 ガイル、マルタ、ユーリの三人は話していたがリサは何も喋らずにどこか上の空だった。


「どうしたの?リサちゃん元気ないの」とマルタが心配していた。


「ううん。大丈夫」と口では言っているが、明らかに顔色が悪かった。


(一体、どうしたんだろう)


「皆さま聞こえますでしょうか!」の真ん中に見知らぬ男性が立っていた。


「今日はアムル学園伝統ともいえる勝ち抜き戦をやっていこうと思います!私は実況のエークンだ」と声を高らかに上げると生徒達は「おおーーーー!!」と声を上げていた。


「盛り上がってるな」


「俺も出場したかった~」とガイルは拳を握りしめていた。


「それでは試験の開始挨拶をしてくれるノア理事長に一言お願いします!」と実況の人が言った。


 すると闘技場(コロシアム)にノア理事長が出て来た。


「今日は試験本番です。出場メンバーの皆さんはこの日のためにトレーニング室で頑張っていたのを知っています。努力は裏切りませんので抗い頑張ってください」と言いノア理事長は闘技場(コロシアム)を後にした。


 こうして試験が始まった。





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