試験本番
試験本番。
朝、廊下を歩いて各クラスの様子を見ていると、教室は静かに教科書やノートの確認をしていた。
底辺クラスの廊下の前から聞こえてきたが、試験本番なのにも関わらず楽しそうに話していた。
俺が教室の中に入ると、「アレン今日は期待してる!」「是非とも一位をとってくれ!」と言ってくる奴がほとんどだ。
コイツらは俺が個人で手に入れた報酬に期待しているとマルタからの情報で昨日手に入れていた。
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「ねぇ、アレンくん。クラスメイトは貴方の報酬を奪おうと考えているわ」
昨日の放課後、いつものメンバーで最後の追い込みをしているとマルタから有難い報告をしてくれた。
「どういうことよ!」とリサが代わりに返答してくれた。
「彼らは、アレンくんが学年でトップになって報酬を受け取ると確信しているわ」と言った。
「何で、アレンの報酬を彼らが奪えるのよ!」とリサは俺の代わりに怒っていた。
「落ち着けリサ」と俺が言うと、「どうして?クラスメイトが貴方の敵になるかも知れないのよ!これが落ち着いていられるの?」と本気で俺の心配をしてくれている。
「心配はいらねぇ。クラスメイト一人ぐらい殺せば黙るだろう」
寝てると思っていたガイルが背伸びしながら言った。
「殺すのは違うと思います」とユーリが口にする。
「何寝ぼけたことを言っているんだ?奪うってことはアレンに対し仕掛けるってことだろ」とガイルの目は人狼じゃなく狼のような黄緑の瞳孔が開いていた。
「そこまでだガイル」と俺はガイルの耳元で〈パン〉と手を合わせて音を鳴らした。
するとガイルの目は人狼に戻っていた。
「アレンは、問題ないのか?」
冷静になったガイルは俺の方を見ながら聞いたので、「問題ない」と一言だけ言うとガイルは教室を出た。
ガイルが帰った後、「ごめん。私が余計な事を言ったせいで」とマルタが反省していた。
「いや、マルタのせいではない。そもそも勉強もしてないのに居残りしてるやつが悪い」と俺が答えた。
それからは、空気が少し重たくなったまま昨日の放課後は勉強をしていた。
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俺は自分の席に戻り試験が始まる前まで窓の外の景色を見ていた。
数分後、カナ先生が教室に来た。
「今回の試験…期待している」とカナ先生は俺の方に視線を向けていた気がする。
こうして試験が始まった。
試験は科目ごとに一時間も与えられている。
最初のテストは歴史から始まり、薬草学、魔法学、経済、生物の五つの科目が出る。
(さて、長い時間拘束の始まりだな)
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試験終わり、皆から一緒に帰ろうと誘われたが俺は断り一人でとある場所に向かっていた。
歩いて数分、目的の場所に着くとドアを三回ノックした。
「どうぞ」と聞いたことのある声が返事をしたので「失礼します」とドアを開けた。
中を見渡すとイザベラと知らない顔の男子と女子がいた。
「久しぶりだね。アレン」と男が挨拶をしてくれた。
「久しぶりですね。ヨハン生徒会長。それともヨハンちゃんと言った方がいいかな」と挑発をするとヨハンに似ている女子が俺を睨んでいた。
俺が彼女の方を見ていると、「彼女は二年のレイヤー・シュタイン僕の妹だ」とヨハンが俺に説明してくれた。
(道理で顔立ちが似ているわけだ…)
「先輩。これからもお願いします」と挨拶をした。
そして俺は、イザベラから視線を感じたので見てると、明らかに俺のことを嫌っていた。
(殺気を込めるなよ)
「あっ!彼女はイザベラ・グレイス。君と同じ一年生だよ」と言ってくれた。
「よろしくお願いします」と一言挨拶すると「よろしく」と一応挨拶を返してくれた。
「それで?君は僕をイラつかせるために来たのかな?」とヨハンが話し始めた。
「いや、俺が来た理由は生徒会に興味を持ったので尋ねて来ました」
突然の言葉に三人も口を開けていた。
「なぜ、興味が出たのかな?」とヨハンが聞いて来たので俺は答えた。
「俺には目標があります。その目標のためには生徒会に入った方が進めやすいと思いまして…」
その言葉を聞いたヨハンは笑顔で「王族・貴族クラスでしか入ることはあ出来ないよ」と答えた。
「だからアレン君の目標には届くことが出来ないね」と笑いながら答えた。
俺はこれ以上居ても意味がないと感じたので颯爽と出て行った。
(そう簡単にアイツに近づくことは難しいか…)
俺は、薄暗い空の中、一人で寮の所まで歩いた。




