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過去問

 試験まで三日。ここ数日でクラスメイトの雰囲気は変わりつつある。


 放課後の教室で黒髪の少年が同じクラスメイトの数人に勉強を教えていた。


「アレン!ここの魔力生成について教えて欲しい」


「わかった。じゃあマルタ、ノート見せて」とアレンは青髪ロング女子の側でわかりやすく教えた。


 マルタ・ダミット。平民出身の彼女はリサと仲良くなった友達だ。


 二人はここ最近よく楽しそうに話している様子が見られる。


 リサには同性の友達がいた方がいいと思っていたからだ。


 やはり男子には話しにくい内容もあるだろう。


「アレン。私も()()草から出来上がるポーションについて教えてほしい」


「リサ。そこはテスト範囲外だよ」


 俺はリサが見ていた本を取り上げた。


「ちょっとアレン。それ私が図書室に行って借りた本だよ!」とすぐに本を取り返そうとしたが、俺は本をもった状態で手を挙げた。するとリサは席から立ち上がるとリサの左手をマルタが掴んだ。


「リサちゃん。嫌いな魔法学の勉強しましょう」とマルタは笑顔で教科書を渡していた。


「マルタちゃん。何か笑顔が怖い」とリサは大人しく席に座り直した。


「大丈夫。一緒に地獄を味わうだけだから…」と教科書を広げて二人は魔法学の勉強を始めた。


 こうして二人が騒がしい間、ユーリは黙々とペンが動いていた。


 ーーーーー


 数日前、リサからの情報で先輩が過去問を売っているのを聞いた。


 俺はリサと二人で先輩に交渉してもらった。


 どこで過去問を売っているのかというと旧校舎裏だ。そこに行くと一人の女子生徒が大量の紙を持って座っていた。


「失礼します。先輩過去問を売っていると聞きました」とリサが尋ねると、先輩は笑って「五千ロガ」と言った。


「高くないですか?」と俺が口にすると「ふっふっふ今年の底辺クラスには面白い奴がいると生徒会では噂が回っていてね」と先輩が俺の方を見て言った。


「ただの噂話ですよ。信じるんですか?」と俺は先輩に尋ねると、「こう見えて私は噂話が好きでね他人の恋愛から生徒同士の喧嘩まで沢山の()()を知ってその人に聞くのが好きなんだよ」と先輩が笑顔でそう言った。


「あの…私たちが底辺クラスだったとして誰のことを話ているんですか?」とリサが言った。


「君の隣にいるでしょ」と先輩が俺の方を見て指さした。


 俺はこれ以上無駄な話をしたくなかったので、先輩に対して衝撃な一言を言った。


「可愛いんですね。生徒会長」と声に出していった。


 その言葉を聞いたリサは俺の方を見て答えた。


「生徒会長は男よ…」


「そうだ。俺は挨拶したことはないが男という情報は知っている」


「知っているなら…」


「よく見てみろ」とリサが目の前の先輩を見ている。


 すると数十秒後リサは先輩の異変に気づいたのか目を開いていた。


「喉ぼとけがある…」とリサが口に出した瞬間目の前の先輩先ほどの可愛い声から低い声で笑っていた。


「それが地声ですか?」


「地声でも少し高いんだよ。アレン・ロウ」と言った。


 リサは驚いていた。


「リサ・グリーンにも申し訳ないことをした」と先輩は謝っていた。


「そんな…その謝らないでください」とリサは戸惑っていた。


「リサ。この先輩はお前に過去問の情報を話した諜報人だ」と言った。


 俺の言葉を聞いたリサは「ええーー!」と大きな声を出して驚いていた。


「だって全然、今の女装姿とは違う」


「それはそうだよ。後から探られても特定されないように気を付けて変装してるからね」と答えた。


「それでアレン君。何で僕のことを生徒会長だと分かったのかな?」


「簡単な話です。数日前に俺とレオンの対決の内容を知った人物にレオンと同じクラスであり生徒会のメンバーがいたんです。たしか、イザベラと呼ばれていました」と言うと、リサも思い出したのか「ああ~銀髪で綺麗だったわね」と口にした。


「そのイザベラを通して知った生徒会長はリサを通じて俺に合わせようとした。まんまとリサは俺に情報を言って俺たちは過去問を買いにきました」と言い終えると先輩は「アッハッハッハ」と笑った後、「正解だよ。アレン君」と言った。


「さてリサさん。約束の過去問だよ」と渡した。


「いいんですか?」


「僕の目的も達成したからね」と答えた。


 生徒会長はその場から離れようとした。


「あっそうだ!僕はヨハン・シュタインだ」と後ろにいるアレン達の方を振り向いて自己紹介をしてくれた。


 俺たちはその場で生徒会長の背中を見ていた。


 ーーーーー


 その後、手に入れた過去問をユーリやリサ、マルタに解いてもらって実力を測った。もちろん俺も解いてみた。授業で習ったことを覚えていれば簡単だと感じたが、ユーリの点数が八割だったので俺の感覚が間違っていたと気づいた。


「なぁアレン。いつ終わるんだ?」と目を覚ましたガイルが話しかけてきた。


「ガイル勉強しないなら帰れ」


「別に邪魔してないだろ」


「ガイル君。うるさいよ」とリサが言うと、『うるさい』とマルタとユーリもそれに便乗して言った。


 ガイルは首を傾げた。


 ガイル自身、確かに寝ていて邪魔をしていなかったが…。


 イビキしていた。

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