夢を語る
カナ先生の授業が終わった。薬草について基礎的なことから学んだ。
アレン自身、人生初めて授業を受けた。
思ったよりも簡単で過去、独学で学んだことの復習だった。ただ周りを見るとノートと教科書を開いて黒板に書かれた内容を一生懸命書き写している人もいれば、途中から寝ている人もいる。俺も眠くなったが、真面目に受けてる感じにしたかったので、カナ先生が雑談交じりに話していた内容でもノートに書いた。
授業終わりに隣にいたリサはカナ先生に質問しに行っていた。
確かに、リサは真剣に授業を聞いていた。
「はぁ~何で薬草について学ぶ必要があるんだ?」とガイルが後ろにいる俺の方を見て聞いて来た。
「薬草は、実際の戦いで役に立たないが、医療という観点で見たらとても貢献している。普通の風邪やパンデミック級のウイルスが流行ったときに薬草の調合で薬を制作して治療に役立っている」と答えた。
「理解できねえ」とガイルは眠たかったのか欠伸した。
「まぁ人狼視点だと薬草で薬を作るのか意味わからないよな」
「薬草は食べ物のスパイスに入れて美味しく肉を食べるのに使用することだろ」といいベロを出した。
話しているとリサが戻ってきた。
「授業で分からない部分は理解出来たか?」と聞くと、隣に座ったリサが「うん」と嬉しそうに返事した。
「何でリサは薬草に興味を持ってるの?」とガイルの隣で授業を受けていたユーリが聞いて来た。
「私さ、子供の頃から植物が好きで、よく外に行って沢山の薬草に囲まれて過ごしていたの」と昔の出来事を思い出しているのか笑顔になっていた。
「それに薬を作ることが出来るのは平民の私としても将来がいいと思うからね」と恥ずかしくなったのか急に現実的な話をしていた。
「確かに、薬草士だったら将来お金も稼ぐことが出来るし平民でもお金を稼ぐことが出来るね」とユーリがそう口にした。
「そういうもんか?俺の所は病気になった奴は遺伝的に弱いからそもそも付き合おうとか思わねぇなオスでもメスでもな」とガイルが人狼社会のことを話し始めた。
「まぁでもいい夢を持っていいな応援してるよ」
「ありがとう。アレン」とリサは笑顔でそう言った。
「じゃあさ皆の夢は何?」とリサが話題を振った。
「俺はハーレムを作ること!」とガイルは言った。人間だったら女の敵だっただろう。
「ユーリくんは?」とリサはガイルの話を深掘りしなかった。
「僕は…教師になりたい」とユーリは控えめに答えた。
「凄いじゃない!ユーリだったらきっといい先生になるよ」
「ああ、俺もそう思う」
「何か二人俺の時より反応してねえか?」
(気のせいだガイル)
「そうだといいけど…僕は会話することが」と声が段々と小さくなっていった。
「大丈夫だよ。たしかに今は声が小さくて聞き取ることが難しいけど三年間もすればスムーズに会話ぐらいできる」
「そうだな。俺たちとこうして毎日話すだけでも違うと思うぞ」
「もう少しお前は腹から声出せ!それじゃあモテないぞ」
リサ、ガイル、ユーリと各々夢を話してくれた。
「じゃあ、最後にアレンは?」とリサが俺に質問した。
ガイルとユーリも気になっているようで俺の発言に期待していた。そんなに俺の夢を知りたいのか…。ただ俺は人生で一度も将来について考えたこともない。今をただ必死になって生きるために頭の中で考え実行していたにすぎない。
俺は素直に「夢か…考えたこともない」と口にした。
すると「アレンだったらきっと見つかるよ」
「気にすることもないよ」
「俺と一緒にハーレムを作ろうぜ!」と三人は言ってくれた。
こうして雑談してると新しい先生がやって来た。
次の授業は歴史や文化だった。
その授業は…とうとう限界だった。机でウトウトと身体がリズムよく揺れ動いた。途中リサから叩き起こされた。リサの方を見ると彼女もどうやら限界そうで、欠伸をしていた。この時、リサは興味のある授業しか興味ない子だった事がわかった。
ガイルは寝てるし、ユーリは真面目にノートに黒板に書かれた内容を書いている。
他の皆も興味を持っていないのか各々が適当に過ごしている。
この現状を見て俺は底辺クラスに皆が配属されたのか理解出来た。
(クラスで戦うことは出来ないな…。個人戦にシフトした方が良さそうだ。少なくともテスト試験は…)
目の前で教師が説明しているので、しかたなく俺はノートに黒板の内容を自分でアレンジして書いた。




