第七話 スライム兄弟、バブル浪者!その二
朧:
「一体なんの真似を......。」
ポポ:
「ぶうぅぅぅぅ。」
ミノリ:
「よ、夜さんもうやめましょう、これ以上は......。」
夜:
「飼いたい......。」
朧:
「は?」
夜:
「だから飼いたいと言いました!」
朧:
「なんのバカな事を言うの?あれ、魔物だよ?」
「食われた事もずっと先の話だともう忘れたか?」
ミノリ:
「そうです、そもそも飼う方法は分かりません、スズメラさんたちと同じ通じ合えるかとかも保証できませんので。」
「だからわがままもその辺で。」
夜:
「だって......だってだってまだ子供ですし、あんまり危険がっ。」
ポポ:
「ぷ、ぷぷう。」
朧:
「ん?」
ポポ:
「ポポさん?」
ポポ:
「ぷ、ぷぷう。」
子スライム:
「ム!」
ポポ:
「ぷう?」
子スライム:
「ム、ムム!」
ポポ:
「ぷ!?」
子スライム(落ち込んむ):
「ム......。」
はいストップ、このままじゃんお客さんたちが困るぞう。何を喋っているの分からないし、こちら側から翻訳してあげないと......。
うん......どれどれ、子スライムたちが泣いて助けを求めているらしい。
子スライム:
「ム!ムムム!」
悪い人に虐められてここに逃げた。
子スライム:
「ム......ム......。」
皆は慌ててるながら突然襲われて(夜に)、思わずあんな事を......。
子スライム:
「ム!ム、ムム!」
なんと、まだ沢山の仲間が囚われていますのでどうか手伝ってくださいっと。
ポポ:
「ぷ!ぷぷぷう!」
お~、偉いぞうポポちゃん。もちろん断る理由はどちでも存在しない!という話だ。
ミノリ:
「ポポさん、他の魔物と話し合えるのか。」
ポポ:
「ぷう!ぷ、ぷぷ......。」
朧:
「なるほど......。」
ミノリ:
「朧も......か(多分ポポさんにだけ)。」
夜:
「なになに、なんのお話し?」
朧:
「このスライムたち、何に酷い目にされてここに逃げたんだらしい。」
「それに他の仲間たちも捕まれていて助けを......。」
夜:
「許せない......こん~な可愛い子に手を出すなんで断じて許せないわ!」
朧:
「お前もカテゴリーだろ?」
ツッコミなら声を上げた方が礼儀だよ、朧。
ミノリ:
「それで?どうするの?」
朧:
「言うまでもない、新しい依頼だ。」
ミノリ:
「そうだよね。」
夜:
「むはは、これからもよろしくねぇ!ムちゃん。」
子スライム:
「ムムー!」
朧:
「いつの間に......。」
ミノリ:
「夜さん的ですね。」
突発クエストが発生、それを受け取た朧たちは依頼主と共に『その仲間を救出』を主要内容にして......『できれば悪い人を倒す』っという事か。
こうやって、子スライムに連れられて悪人のアジトに......。
ん?報酬は?そりゃあもちろん、心を満たす事と......新たな『出会い』っだろ。
子スライム:
「ムム!」
朧:
「着いたか。」
ミノリ:
「これは......スライムの拠点......ですか。」
「垣根も巡らせ、剣とか盾とか木制の装備を備えるスライムもいる。守衛の務めなんのか。」
夜:
「へぇー、拠点も作ってくれるのか、ムちゃん偉い~。」
ミノリ:
「できる......訳にはいけないと思う。そもそも高い知能を身に染まる類でははずがない。」
朧:
「例の悪い奴の仕業しか考えられない。あ!あち見ろ!」
ポポ:
「ぷっ!」
夜:
「何にそれ、酷い。」
ミノリ:
「拘束装置に付けられ強制的に働き、守衛たちにも同程度の仕組みを......魔物とはいえ何という悪行。」
子スライム(へこむ):
「ム......。」
朧:
「クソ、見てならんねぇ。ならんねけど......真正面やると無謀すぎ。」
ミノリ:
「一旦町に戻って他の冒険者に手伝い貰う方がいいと思います。」
朧:
「仕方ないか。」
子スライム:
「ム!ムムム!」
はい、面倒くさいから暫く直接翻訳しますので、よろしく。
子スライム:
「皆はあの悪い者に操られている、だから奥にいるアイツだけ倒せば済む事。」
ポポ:
「でも、どうやって入るの?」
子スライム:
「逃げ出した頃の隠し通路を利用すれば、こっそりと潜り込むことが出来ます。」
ポポ:
「って、仰っていました。」
夜:
「なるほど、では善は急ぐ。案内よろしくね。」
子スライム:
「うむ、どうぞこちらへ。」
子スライムについて隠し通路へ辿り着けっだが、どうやら逃走の件がバレたそうだ、入り口も見回りが配置されている。
朧:
「こりゃあまずい、まさかここまで......。」
夜:
「ふっふっふんー、ようやく私の出番か。」
ミノリ:
「夜姉さん、何がいいアイデアが?」
夜:
「我が得意技ー『ザ・フェイク』の事、忘れたの?」
朧:
「ここで着替えてもどうにもならないと思う。」
夜:
「遊んでない、本気だもん。」
「ったく、少しやり方を直せば『変える』じゃなく、『消す』事になります。」
ミノリ:
「つまり、その『消す』をエンチャントされば気づかれなくくぐれる事。」
朧:
「そんなもん出来るだっけ?」
夜:
「ふふん、じゃんしますよー。」
呪文を唱えてザ・フェイクを皆にエンチャントして......これは効くなぁ、べっかんこされても返事なさそうだ。いけるかも。
朧:
「よし、無事に潜入。」
子スライム:
「あ!みんな。」
ミノリ:
「囚われたスライムだ。」
夜:
「早く助けて。」
朧:
「任せとけ、むむむー......はぁ、開けた。」
考えずの力使い......か。
囚われたスライム:
「ありがとう、ありがとう。」
子スライム:
「皆さん、はやく逃げて。」
囚われたスライム:
「あんたは?」
子スライム:
「僕はこの方達と一緒にあの悪いのを打ちのめすに行く。」
囚われたスライム:
「気を付けて、気を付けてねぇ。」
???:
「逃れる......と思う......のか。」
夜:
「もちろん、逃れる......と......。」
子スライム:
「アイツだ。」
あれは......スライムロボット!?なんで?どういう理屈?ここはある仮面を被ってる邪悪な魔法使いとやらの出来事はずじゃないの?
うんっくん......と......とりあいず、ロボライムと名付けよう。適当なラスボスに適当な名前......言い辛いボス戦だ。
ミノリ(目がキラキラ):
「スライム型ロボット......格好いい。」
朧:
「......敵だ、しっかりしろ。(クソ、何時からバレたの。)」
遠くにバレだよ、どうやら赤外線の目を誤魔化せないみたい。まだ爪が甘いぞう、夜。
ロボライム:
「人の子よ......ようこそ......わが城......。」
ロボットだからどもってしまうのか。
夜:
「あんたね、例の悪い人。ムちゃん達を虐める何で許さないわ。ほら、覚悟しなさい。」
ロボライム:
「ロボが......話す時......口出す......な。」
「礼儀......知らな......いのか?」
夜:
「ガラクタの癖に偉そうに......こちらは四人がいる、不利に嵌められるのはあんたの方だ。」
ロボライム:
「ふっふっふっふ......人数差......か?」
朧:
「あ~~、嫌な予感。」
そうだね、周り突然の操手が大勢出ただもんね。
子スライム:
「みんな!しっかりしなさい!」
朧:
「おのれ、操られた故、手を出す訳には.......。」
ミノリ:
「挟み撃ちか......(まずい、ここはなんどか......)」
「あ!あちを見て、あのシグナルタワー様な物。きっとあれでスライム達を操るに間違いありません。」
夜:
「あれを如何にかしてっていう話だね。」
朧:
「けど、こう言う状況では......。」
ロボライム:
「はっはっはっは、わが......勝利の......確定だ。構え!」
ポポ:
「ぷぅぅぅぅぅ。」
世は暗闇に沈み掛けた時、必ず正義のヒーローが現れ光を齎すだろ。
???(赤):
「お困りの様だね。」
朧:
「この声......。」
ロボライム:
「誰だ!?」
???(黄):
「知りたいを望むなら。」
???(紫):
「答えをあげても世の礼儀さ。」
ミノリ:
「あれは......スポットライトと......レフ板?」
赤&黄&紫:
「とお――!」
「ありゃ......。」
......もう少し足場を選んだらどう、正義のヒーローさん。
くっくん、ではやり直して。
バブルレッド:
「ブレイブ無双、情熱の炎を我が胸に。正義の赤い星、バブルレッド!」
バブルイエロー:
「霹靂一閃、戦場を駆け抜ける轟。マッハの稲妻、バブルイエロー。」
バブルパープル:
「キャワキャワキャワワ!みんなが大好きのアイドル、バブルパープルだよ~!推し、ありがとう~!」
まとまりがねえ。はい、炎、雷と......毒?のスライムでした、しくよろ。(何で毒?)
レッド&イエロー&パープル:
「我らこそ、世界を救う正義の使者――スライム兄弟、バブル浪者!」
...... ......
解説くん:
「正義のヒーロー、スーパーせん......くっくん、失礼。とっととこの世界のヒーローが現れました、果たしてピンチから抜けられるのか?では次回......。(ていうか、ヒーローとか主人公のはずじゃないの?)」