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僕L  作者: 氷憐 仁
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写真を撮りに

おでかけに行くことになった慧はどうのりきるのか?

家に帰るとLIMEが来ていた。誰だ?僕は母親とクラスLIMEしか持ってないぞ。

『狼谷さん!急なLIME失礼しますね!クラスの皆さんに入れてもらったクラスLIMEから追加させていただきました!写真を撮りに行く件なんですが、土曜日の一時に、駅前へ来てください。持ち物は特にありません。要件は以上です。お待ちしています!_(_^_)_ペコ』

クラスLIMEって言ったってなんで僕のアイコンがわかったんだ?名前も、1511、、、名前だけでわかるやつはいないはずなのに。んな! き、既読をつけてしまった。もう行くの確定じゃんかぁ、、、よし、ここは切り替えて、myワールド展開して忘れるか。

・土曜日

あぁ、、、やだ。なんで来ちゃったんだろ。今考えれば、無視もできたのでは?て思う。果てしない後悔がうずまきすぎてもうすでにはきそうだ、、、過去の自分を殺しに行きたい。

「お・ま・た・せぇ!!!」「ふゃ!?」脳内で自分を殺す方法を考えていたせいで周りが見えてなかった。自覚はある。だ・け・ど、変な声出た!はずかしぬ。もう誰か僕を殺してくれ

「あはは、びっくりしました?」なんで笑ってるんだ、、、あぁ、、帰りたい。

「わぁ、すごい嫌そうですね〜。ま、置いといて、いきましょう。まずは公園がいいです」

「この辺の公園って一つしかないけど、そこでいい?」「はい。お願いします!」

「ついたよ」はぁ、、公園に行くまでに1時間。3歳でもこんなにかからないぞ。少し歩けばパシャって。いや、見てるのは苦じゃないけどね、カメラ持ってる桜さん楽しそうだし。

「すごいです。大きな桜の木。」彼女は、桜さんは、泣いていた。儚く、美しく。目が、離せなかった。でも、なんで泣いて、、「っ!」その瞬間、桜が強く、大きく舞い上がった。

腕で覆いかばったせいで、何も見えなかった。、、、桜さんは、、、?

「はぁ、ジャストタイミングで桜吹雪でした!すごく幻想的な写真が撮れました。」

「え、あぁ、うん。それなら良かった。」、、、泣いてない?いや、それどころか、満面の笑み。あれは一瞬だったし、もしかして、、うん。気のせいだ。そういうことにしとこう。

にゃぁ。

「っ!!」びっくりしたぁ、、、、猫か、かわいいな、、純粋で人懐っこい。癒やしだ。

「猫、好きなんですね〜。いいですよね、かわいくて無邪気で。猫もたまに撮るんです。」

猫に見惚れていると桜さんが何故か嬉しそうに僕の横にしゃがみこんだ。そのまま猫に向かって`おいでおいで`と手を伸ばす。そんな桜さんに猫は警戒心丸出しだ。そんな姿を横目に僕はその猫に慣れた手つきでそっと近づいて頭をなでた。この猫がこんなに懐いているのは日頃の僕の癒やしに協力してくれるいわゆる神使だからなのだ。名前はまだ思いつかない。「な、なんで、、、狼谷さん、その猫になにかしたんですか!?羨ましいです、、」

桜さんにキラキラした目で見つめられながらも、「なでて〜」というように頭を擦り付けてくる猫に僕はいつものように頭から尻尾の先まで撫で回す。これが幸せか。なんて我ながらキモいなぁ。脳内では許される、、よな?じゃなきゃ困るぞ。まぁ僕以外は知る由もないが

「ここらへんいつも散歩してる猫なんだよ。見かけるたびに遊んでたらこうなった。」

「へぇ〜私も今度からこの道通ってかえろうかな。。。」

真剣に考えているのだろうか、、、、?

「はぁーあ。癒やしですね。お腹が空きましたね。駅前のワックでも食べに行きますか?」

ワックか、、、この道戻るのも時間かかりそうだなぁ。そういえば、

「この公園の近くに老舗っぽい和食のお店があるんだけど、どうですか?」

「本当ですか!行きたいです。それじゃあついていきますね。」

たしか公園の裏側の出入り口のすぐ側だよな。ややお腹が空いていたのもあって早足で店に向かった先にあったのは妙な雰囲気をまとった不思議な店だった。

「ここだよ。開いているみたいだから、入ろう」

「はい!もちろんです。楽しみですね。」

ガラッ チリンチリン

引き戸と同時にベルの音がなる。お昼時なのに誰もいない店内におじいさんが一人。

「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ」

僕らは1番奥のこじんまりとした席に座った。

「狼谷さんは何を食べますか?うどん屋さんみたいですけど、私は断固きつねです!」

こんな、悪いけど少し君の悪い店で桜さんはいつも通りだった。

「僕はじゃあ、山菜で」

「えぇ〜!山菜食べれるんですか!?大人だ、、、、ひとくちください」

一口、、、、

「それなら僕もきつね一口食べたいです。」

「もちろんです!すみません、注文良いですか。」

そうして桜さんはうどんを注文し、落ち着かないソワソワした様子でうどんが来るのを待っていた。人のこと言えないぐらいに僕も落ち着かなくて、やけにキョロキョロしていると、さっきのおじいさんが想像もできないぐらい力強く湯切りをしていた。人は見かけによらないらしい。いやでも、あれは度を越しすぎてるよね!?思わず見つめてしまっているとおじいさんがこちらに気づき、しわくちゃな顔でふっとほほえんで

「もう少しでできますので。」

と言った。ちょっと恥ずかしい。この羞恥心から逃れるために、そう思って桜さんに話しかけようとするも、特にこれと言って話のネタもないわけで。沈黙。これ以上に気まずいものはない。そんなとき桜さんが口を開いた。

「今日は、すごく楽しかったです。」

「いや、ほとんど公園散歩しただけだし、、でも、楽しかったなら、よかった、、です」

もじもじしている。あぁあ、はたからみたら超キモいんだろうなぁ。死にたい、死ねる。

「はい、きつねうどんと山菜うどんね。ごゆっくりどうぞ。注文あったら呼んでね。」

ドンッとちょっと粗めに置かれた器の中には出汁がきつね色に揺らめき、淡い幻想的な見た目に加えてこの柔らかい匂い。たまらない。どちらのうどんも美味しそうだ。こんなに美味しそうな匂いが漂えばもちろんお腹も空くわけで、

ぐうぅうううううう

と激しく大きな音がなった。あぁ、終わりだ。はず。

「た、たべようか。お腹空いたし。」

「お腹が空きすぎて耐えられなかったの、私だけじゃなくてちょっと安心してしまいました。美味しそうですね。これは大当たりです。こんなお店知ってるなんて、、いいなぁ」

そうして、まちに待っていた昼食を取る。見た目通り、美味しさはこれまで食べたどのうどんよりも美味しくて、麺の太さも柔らかさも絶妙だった。これには箸が止まらない。ズルッと麺をすする音が僕らしかいない店内に響く。ずっとお腹が空いていたためか二人とも無言で食べ続ける姿は客観的に見たらおかしいのだろう。

「あの、桜さん。山菜うどん、どうぞ。」

ぎこちなく話しかけ、自分の器を差し出す。もちろん自分が使った箸は渡すわけがない。

「えぇ!いいんですか。ありがとうございます。私のきつねもどうぞ。」

そうして笑顔で器を交換してくれる。交換されたきつねうどんを口に運ぶと、山菜の醤油とは違う甘めの味がまた食欲をそそられた。おいしい。一方、桜さんは、はっと気づいたように山菜一つ一つを確かめるように頬張っている。

「この食感、どれも味がしみてて違って食べてて面白いです。」

表現力も良い。僕のおいしいなんて一言なんかよりもよっぽどおいしそうだ。

「きつねもおいしい。同じ出汁のはずなのにこんなに違うんだな。」

「そうですね。不思議です。それに、どっち美味しいです」

そんなこんなで僕らはうどんを食べ終え、店をあとにした。


お出かけ午前の部無事乗り切れました。。。?乗り切った、多分!

次回もお楽しみに

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