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仕事の時間だ

 こんにちは!作者です!

 執筆活動の歴はあまり長くありませんが、描きたいものを書いていきたいと思っています。お時間があれば是非読んでください!


追記

 いつもより投稿が遅くなりましたことをここでお詫び申し上げます。

 謎の人型の影にティンダル市6番街が襲撃され事件の数ヶ月後、ルークは少し離れた第二研究棟の倉庫Bにいた。


 「ふぅー、これで必要な器具や蔵書は全て移動できたな。」

 「いやはや、疲れたっす。」

 「クレイもお疲れ様。まともな活動はあまりして来なかったけど、ここには慣れてきた?」

 「はいっす!皆さん優しいんで、すぐ馴染めたっすよ。」


 屈託の無い笑みを浮かべながらそう答えたのは、ティンダル市6番街アイブス襲撃事件から数日後にルーク研究所に配属されたクレイだった。


 「にしても改めて考えると多額の支援金と保安局付属学校からの研究員配属は破格の報酬だよな。」


 ルークは感慨深そうに呟く。

 実はルークは今回の一件で多大な貢献をしたとの判断が保安局で下り、支援金と魔法研究員として優秀なクレイを報酬として貰っていたのである。


 「いやいや、街の被害を最大限削減したあの功績は十分賞賛に値するっすよ!僕はルークさんみたいな方がいらっしゃる環境に身を置けて感無量っす!」

 「褒めすぎだよ。実際に私の貢献もあったことは認めるけど、本当に賞賛されるべきは私ではなくマーr」

 「ルークさ〜ん!クルヴェルさんが呼んでますよ。」

 「分かった。すぐ行く。」


 数分後、歴史書や魔法書が山と積まれている第二研究棟本陳に研究員一堂は集まっていた。


 「さて、新入研究員のマーリーンとクレイに乾杯!」

 「「「「乾杯!」」」


 そしてルークの合図で新入研究員歓迎会が始まった。


 「まぁ歓迎会と言っても単にコーヒーを飲むだけなんだけどね。」

 「良いじゃないですか所長。このコーヒーに使われてる豆、結構高いんですよ。」

 「クルヴェルさんこのコーヒー楽しみにしてましたもんね。」

 「私マーリーンちゃんにその事伝えてたかしら?」

 「ここ最近何回もルークさんにコーヒーの事言ってたじゃないですか。」

 「そ、そうでしたか。」


 クルヴェルとそんな会話を繰り広げているのはマーリーンである。彼女の柔らかい笑顔を見ながらルークは満足気に低く唸る。


 「いやー、まさかこうして喋るマーリーンを見れるとはな。」

 「私もあの時急に話せるようになってビックリしました。」


 遡ること数ヶ月前。ティンダル市6番街アイブス襲撃事件の数日後。


 「んっ、、、んぅ?」


 ルークが目を覚ませば目の前には知らない天井が広がっていた。白を基調とした内装や手すりのついたベッド、軽く鼻をつく消毒の匂いが部屋を満たしている。


 「病院、、、かな?」


 頭を掻きながらルークがナースコールを見つめていると、不意に扉の開く音がなる。


 「所長!目を覚ましたのですね!」

 「あ、あぁ、クルヴェルか。」


 駆け寄ってくるクルヴェルの後ろの扉から少女がひょっこりと出てくるのをルークは見逃さなかった。


 「君も無事だったんだね。良かった。」


 スッススス


 (はい、おかげさまで。)


 穏やかな笑顔を浮かべながら手話で返答した少女を見てルークは胸を撫で下ろしてから一呼吸置いてクルヴェルに向きなおり、話し始めた。


 「それで、、、色々説明してくれると有難いんだけど。何が何やら。」

 「はい、あの日ティンダル市の6番街は謎の人型の怪物に襲撃されました。事件発生から数分後大型の個体が現れましたが、7名の保安官と2名の魔法使いにより無事事態は鎮静化されました。死者9名、重軽傷者15名です。」


 薄型のウェアラブル端末を見ながらことの顛末を説明したクルヴェルにルークは1つ質問を投げかける。


 「んと、2名の魔法使い?」

 「えぇ、2名です。貴方と、、、自己紹介はご自身でしていただきましょうか。」

 「ん?」


 ルークはクルヴェルの発言の意図が掴めないまま彼女の目線の先を見る。そこには最近保護した少女が一人いるだけだった。


 「んーと?」

 「改めまして、マーリーンと言います。先日の事件に関与したもう1人の魔法使いです。」

 「っ!?喋った、、、。いい、いつから?」

 「あの事件の日からです。」

 

 予想だにしない出来事によりルークは口を半分開けたまま固まってしまった。数十秒後にその半開きの口から至極当然の質問が発される。


 「、、、何故?」


 その質問に対して手話で少女改めてマーリーンは答える。


 ススッスススス


 (私にも理屈が分かりません!あと、もう舌が疲れました!)

 「あぁ、そう。確かにずっと喋れてなかったから舌は疲れるよね。」


 ひとしきり回想を終えたルークはマーリーンの身に起きたであろう事を考察しながらコーヒーを啜る。

 ー今まで機能不全だった脳の言語出力に関わる部位が今回の事件を切っ掛けに活性化したのだろうか?それとも幼少期に何かがあってそのストレスで言語出力能力が低下していた?ー


 「まぁ、どちらにしろそんな事例は聞いた事が無いな。結局何故あの怪物たちが街中に発生したのかも判明してないし今回の件については謎だらけだな。」

 「あの謎の怪物については現在でも保安局が調査中って言うのは聞いてるっすけど、未だ何も掴めずと言った具合みたいっすよ。」

 「そうなのか。まっ何にせよ私達は関与しかねんだけどね。」


 ピンポーン


 不意に第二研究棟のインターホンの音が棟内に響き渡る。訪問者を見に行こうとするクルヴェルを手で制してルークは椅子から立ち上がる。


 「恐らく私の友人だ。思っていたより早い来訪だけどね。」


 そう言い残してルークは玄関へと歩みを進める。その間にも何度かインターホンが押されている。


 「はいはい、今開けますよ。」


 開錠し、扉を開けると案の定ルークの予想通りの顔がそこにあった。中性的で童顔なその人はルークを見上げながら一言。


 「仕事の時間だ。」

 この度はお読みいただきありがとうございました!

 今回のお話は面白かったでしょうか?誤字・脱字がありましたらご指摘をお願いいたします。ルークに舞い降りる仕事とは!?この先の展開を楽しみにして続きをお待ちくださいませっ!

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