土方歳三、気づく。
ここは。 どこだ。
「おい起きろって!」
「豚…」
「って。豚?人なのか!?」
気を失い、目を覚ましたらそこには敵の新政府軍でもなくなんでもなく人の装いをした豚だった。
「あ?豚だ?てめえみたいなボンボンに言われる筋合いはないわっっ!」
ぼんぼん?俺が今まとっているものはただの洋装の軍服。それになんだまったくわからん。
豚がしゃべっているぞ?
「まて。豚は豚だ。落ち着け、そのまえにここはどこだ。」
「あぁ!?てめぇ…てめぇが虐げてきた村だろうが!わすれたかよ。っっっっ????」
切り伏せた。豚肉は好まんので放置する。
「さて」
ここがどこか突き止め早急にもどらねば。
見たところ建築 農作物が日本とは全く違う。 あと人間のような豚がいる。ここはどこなのだ?
くたびれた街並み 人々は頬がこけている。なのに農作物だけはしっかりと育っている。
これだけではまだはっきりしない。情報収集をしよう。
「…昔を思い出すな」
俺がその昔、近藤さんたちと会う前。薬売りとして町を歩き世に触れていた。
まさに原点回帰だ。
考え事をしていたらすさまじい怒声が聞こえてきた。
「貴様ぁぁぁ!!」
なにやら装備を持ったやつが襲い掛かってきている。
「何事だ。」
もしや先の豚を切り伏せたのが問題ではなかろうな。
これでは余裕がないな。いったん退こう
走りながらでも聞こえてくる罵声 怒声。なんなのだ一体。
町を見渡すと見えてきた背景がある。先の豚に似たやつが理知を持った行動をしている。
もしや人種なのか?本当に人ならば俺が今襲われているのもわかる。
奴らもなかなかしつこいものだ。
そのせいで細道を抜け、木々に身を隠し。
ついに根尽き果て捕まってしまった。
「貴様、何者だ。急に現れたかと思えば、オークのものと口論をし、挙句の果てには切り殺してしまうとは!町のみなは怯え、貴様を何者かとにらんでおるぞ。ここらでは見ぬ顔だ。言え!どこから来た!」
「まて、私は目を覚ましたらここにいて。まったく何もわからんのだ。」
「貴様、そんな物言いで通しきれると思ったか。」
「こいつ、もうこの場で処刑しちゃいますか?」
相手は明らかな殺傷可能な武器を持っている。
くっ…このままだとまずいな、何かないか。
「まてっ!この通り街中で殺生をしたことは詫びる。しかし本当に何も知らぬのだ。」
「俺は日本という島国から気づいたらここにいた。ここはいったいどこなんだ?」
「二ホン?そんな国あったか?」
「知らねえよ、とぼけているだけだろう?」
日本を知らない?今の時代に。
おかしい。そんなことはあり得ぬ。夢を見ているのか?
「じゃあとっととやっちまうか。」
くっ…こんなことはありえん。日本を知らぬ?俺はどうやってここへきた?あのおーくと呼ばれている生き物はなんだ。何もわからん、常識が違いすぎる。
もしかして俺は。
おれは別世界へ来てしまったのか?