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2024年4月30日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#134 トマト


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioリスラジのアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。



 サイト投稿回数 第78回目の今回は………

 2024年4月30日放送。

 妄想【愛の劇場】#134 トマト


 太陽の光にテラテラと輝く赤い実を、女はギラリとした歯で食らいつく。

 赤い実はズシャリという音と共に女の口の中で咀嚼(そしゃく)されていく。

 女は決まって苦い顔をする。

 その様子を男は笑って見ていた。

「キライ」

「なぜ?」

 理由を聞いても女は決まって答えない。苦い顔をしながら、赤い実を咀嚼(そしゃく)し続ける。


 女と出会ったのは、暑い盛りの頃だった。

 男が趣味で手入れをしている猫の額ほどの畑には、色とりどりの実がたわわに実っていた。

「この赤い実は何かしら?」

「トマトだよ」

「トマト?知らないわ」

 男は女の顔を見た。真剣な眼差しの女は(うそぶ)いている様には見えなかった。

「食べ物だよ、食べてみたら?」

 男は赤い実を、ひとつ青々とした枝からもぎ取って女に差し出した。

 男の顔を上目遣いで見つめながら、女は赤い実を受け取った。

 女は困った顔をした。

 男は青々とした枝からひとつ赤い実をもぎ取ると、ジーパンで簡単に拭いてから一気にズシャリと噛みついた。

 女は男を真似て、赤い実をスカートで簡単に拭いてからズシャリと噛みついた。

 女は苦い顔をした。

 男は笑った。

「キライ」

 女は言った。

「なぜ?」

 女は答えない。

 女は黙ったままズシャリズシャリと赤い実に噛みついた。


 それから女は毎日男の畑に来ては、赤い実に食らいつく。

 女は決まって苦い顔をする。

 男はその様子を笑っていた。



 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー


 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#135「テーマ未定」

 ※2024年5月の放送分は、番組投稿コーナー「妄想【愛の劇場】」のコーナー自体がお休みです。


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