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第六章  光剣の勇者と神導の魔術師  2  神の力を奪いしモノ

 「田村さ~ん!!」

 「あ、ああ……。私のせいだ……。アリエントの魔力を放出したまま放置したから……。ちゃんと警告していれば……」


 カマキリの胸から放たれた炎の竜巻を見て誠もメイリルも絶望の声を漏らす。あの炎に焼かれては助からないと二人が諦めかけた時。


 「輝力開放シャインバースト!」


 炎の中から声が、もう聴けないと思っていた声が響き、炎を吹き飛ばし虹色の光を纏った亜由美が両目の魔眼を見開く。

 

 「千切れろっ!」

 

 カマキリの核が収まっていた首から上が千切れそのまま圧縮され潰されてる。

 

 「……すごい」

 「うん……。というか、なんであの炎の中で平気だったんだろう?」

 「そんなの気合に決まっているでしょ!それよりまだ動くわ、二人とも一旦誠くんの家へ逃げるわよ!」

 「え、ええ~!?」


 発言の意図が分からず呆気に取られている誠からメイリルを奪い取る様に亜由美が抱えて行く。


 「ちょっ!?」

 「役割交代!それより急いで無茶苦茶な攻撃が来る!」

 「だって核は壊したんじゃ……」

 「あと二つ!残っているの!!」

 「は?って置いていかないで」


 いきなり見ず知らずの女の子に抱きかかえられたメイリルがワタワタと手足を動かしているが亜由美が小声で。


 「そんなに誠くんの方がいいのかな?」


 と囁くと顔を真っ赤にして固まってしまった。


 (背は私より大きいけど反応は可愛らしいわね。にしても、この胸は中々……。って、それどころじゃなかった!)


 少し後ろを誠が、その更に後ろには千切れた頭と首を再生させるために傷口から凄まじい勢いで黒い煙のように見える粒子が元の形を作り上げていく。だが、ウンディーネ零に投げた左腕の鎌が直線的な形、槍に変化していた。

 そして胸の炎に共鳴するように槍に炎が包まれていく。

 その槍が形成された時、僅かにだが二人の持つ武器が共鳴を起こした。


 「これは……。まさか!?」


 亜由美の肩越しにカマキリを見たメイリルは確信した。あの武器は間違いなく。


 「滅火槍・ディーオルフト!」

 「めっ、めつかそう?」

 「あのカマキリは危険な武器を飲み込んでいるです!」

 「ああ、誠くんが言っていた神装武具って奴ね。なるほど、アーティファクト持ちか。道理で手ごわいわけね」

 「それより俺の家に行ってどうするの!?」

 「隠れる!家の陰に……」

 「それなら、上から誠の部屋に入れるよ!」

 「その案、頂き!このまま誠くんの部屋にお邪魔するよ~!」

 「ええっ!?」


 三人が話している間にもカマキリの胸の炎は勢いを増し、やがてカマキリの体を包み込み膨張する炎が遂に弾けた。


 「退避~!」

 

 亜由美とメイリルが部屋に飛び込みのをみて誠が後ろを振り返ると、背後から十メートルを超える炎の波が迫ってきた。


 「おいおい、マジか……」

 「誠くん!」「マコト!」


 二人に急かされて誠も家具が水平になっている部屋に飛び込むと窓の外が赤く染まり咲村家が炎に包まれた。

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