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異世界でスローライフを目指してたら魔王にされてた件。  作者: 中崎実


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お手伝い要員の件。

本日は短め。

 上の村で植え付ける苗は下で作っているので、必要なのは畑の整備という事になるんですが。


「……早っ」


 ご機嫌に尻尾を振り振り、農機具を引っ張るちゃっかりドラゴンが一匹。

 トラクターを使っての作業の数倍の速さで、スドドドドと擬音が出てきそうな勢いで畑を耕していきます。

 ちゃっかりドラゴンがお手伝い後のお駄賃目当てに頑張るおかげで、今年も無事に整いました。


 冬の間に締まった土を粗く起こしてしばらく置き、それから塊を砕いて作物が育つ状態にして、という作業はそれなりに間隔を開ける必要があるから、時間はかかるんだけどね。今日は土を細かくして植え付けが出来る状態にするまでの作業をしてたんだけど、ちゃっかりドラゴンのお手伝いのおかげで、作業そのものはスムーズに終わってます。


 そしてご褒美はちゃんと用意してます。冷蔵しといた果物のほかに、冷蔵しておいた甜菜のスライスや、炒ったハチノコなんかを盛り合わせたご褒美セット。


「……もしかして、味わって食べてねえ?」


 ちゃっかりドラゴンと同じタイミングで休憩してると、小島がちょっと驚いてました。


「ハチノコは特にそうだねえ」


 目を細めてしみじみ味わいながらおやつ食べてます。調理済みのハチノコは俺が用意してやらない限り食べられないから、珍しくて好きらしいんだよね。


「ライディング・ドラゴンて頭いいのな」

「この子は特にね」


 なんでか知らんけど、お利口に育ちました。


──────────


 ちゃっかりドラゴンも種蒔きや芋の植え付けは得意じゃないので、それ以降の畑のお手伝いは無し。

 というわけで、俺達が植え付け作業をしている間、そこらで遊んでいるのはいつも通りです。


「え、あれ飼ってるわけじゃねえの?」


 畑から少し距離のある用水路沿いをパトロールしてるちゃっかりドラゴンをチラ見しながら、種芋を見張ってる小島がなんか驚いてますが。


「育てたのは俺だけど、今は半分自立してるよ」

「自立?」

「夏は山のほうで自活してるね。冬は寒いから帰ってきて、春まで手伝いしてくれる」

「……頭いいんだなあ」

「普通はそこまで頭良くならないんだけどね」


 お手伝いも昔は遊びの延長だったのに、今じゃすっかり農機具の取り扱いも覚えてる。


「数とか数えられそうだもんな」

「あ、引き算までは出来るよ」

「うそ、マジ」

「2ケタは判るみたいだね」


 作業のときのちゃっかりドラゴンの振る舞いを見る限り、足し算と引き算は何となくできるっぽいです。俺は教えた覚えが無いんですが。


「マジかー……」

「拾った時は成体になれるか判らないくらい、弱ってたんだけどねー」


 いつの間にやら、体も心も立派に成長しておりましたよっと。


「うっそ、他のより大きいじゃん、あれ」

「昔はちっちゃくてか弱かったんだよ、あれでも」


 今じゃ想像もつかないけどね。

魔王(しまだ)「元気に育てばいいと思ってただけなんだけどねー」

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