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異世界でスローライフを目指してたら魔王にされてた件。  作者: 中崎実


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考え方の違い。

今回は短め(更新日間違えました)

 農作業も少ない冬は、工場が稼働するシーズンのわけでして。


 工場の人員を確保できるから、無理せず働けるというのが大きいです。

 村内で使う分以上に作れたら多少は外部に売ってるんだけど、あんまり欲張らないようにブレーキかけるのも重要だったりする。生産量を増やそうとして、安全を無視するのは無しですね。


 というわけで。


「却下は1件だけか、まあまあ良い感じだね」


 工場のライン変更なんかは勝手にできないようにしてあります。


 実はこの世界、まだ労災っていう考え方が普及してないんだよね。人間の国は技術自体が発達してないから論外として、山向こうの国は産業革命くらいの発達度。工場なんかでの事故についてもあんまり予防のノウハウの蓄積が無いし、規制もないので、製造現場での事故が珍しくないんだとか。


 そのノリのまんま村で事故られるのは嫌なんで、俺が管理してる場所に工場を建てる場合、認可がいることになってます。工場の改装についても、改装計画を提出して認可するまで工事をさせないし、工事終了後のチェックと承認がないと稼働できないルールになってるので、ちょっと締め付けが厳しいとも思われている模様。

 いくら苦情が出ても、ここは譲る気が無い点ですけどね。


「さすがに、これは許可できません」


 真顔で言うのもまあ当然だろうね。

 なにしろ却下された図面だと、工場内に機械を詰め込みすぎることになるので、工員が安全に歩けるスペースが足りてないし。()()()()()()()()()()()()()()()()()とか、却下です却下。なんかのはずみで服が引っ掛かったりしたら、巻き込まれて死にます。


「図面引いたの誰?」

「昨春にこちらに来た技師でして」

「ああ、そういや一人来てたね」


 工場用の機械を納入した会社の技師で、メンテナンスのために残ってくれたひとだ。こっちの環境が気に入ったとかで、村の工場に転職を決めてました。


「ここの流儀には馴染んでないんだなあ」

「あちらの考え方ですと、工員が注意すればそれで良いものですからね」

「注意して事故がゼロになるなら、誰も苦労しないんだけどねえ」

「事故が起きればクビにするだけですから。手足と職を一度に失いたくなければ、注意してれば良いって考えなんですよ」

「無茶言うよなあ」


 とはいえ俺達の歴史でも昔はそんなもんだったわけだし、どこも変わらないってことですかね。


「こちらのやり方に慣れるまで、もうしばらくかかりそうですね」

「ま、それも踏まえてこの時期に計画書出したんでしょ」


 今は工場が一番忙しい時期だから、製造機械を増やす時期では無いし。

 来期にそなえた計画を立て始める時期だ。春になれば工場の稼働率はかなり下がるので、その時期を利用して改装したりする。工事の予定を立てるためには計画の認可が必要だから、気の早いところは今頃から計画書を出してくるのがいつもの事です。今回みたいにリテイクになっても、計画再提出して工事日程が組めるからですね。


「では再提出を命じるという事で?」

「うん」


 事故のリスクさえ減らしてくれれば良くて、儲けを出すのを邪魔する理由はないからね。

魔王(しまだ)「目指せ労災ゼロ。発生リスクになる場所は作らせないのが肝心です。」

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