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寮室



夢だ

そう思う夢だ


1年前の初等科入学のときの思い出だ。

寮は、一人一部屋。

寮の部屋とはいえ、初めて100%自分の好きなように出来る城が出来てすごくワクワクしている。


一階の102号

8畳ほどの広さで、奥の右側にベット、左側には木の机と三段の本棚

玄関というより靴を脱ぐスペースと下駄箱、下駄箱とベットの間はクローゼット

自前の釣り道具とギアを入れた支給のバックパックと制服で満たした。


机にはお気に入りの羽ペンと万年筆、インク、封蝋セット、鉱石のコレクション

布団には肌触りの良いお気に入りのタオルケットと毛布、

そして枕代わりの熊のぬいぐるみ




周りの人達は

備え付けの家具は簡素だとか、自前の物を持ってきて少しでも箔を、豪華にって風潮で部屋の内装は

話を聞く限り手をほとんど原型をとどめていないらしかった。

そのままのレイアウトと家具を使う人はいない…

そんな中でも…素朴なそれらを俺は落ち着くと寧ろ大歓迎した。


だからそういう家具やらの家からの気持ちは殆ど断った、唯一本だけは頼んだので、三段の本棚だけはすぐに埋まった。


そんな調子だから…か。

暫くは、仲良くなった友人が部屋に入っての第一声は、

一目見た感想は十中八九で「お前大丈夫か?」だった…


ここに通う中では金がないといわれる子息でもこれはないと。

家からの持ち込みが少なすぎるのには何かあるのかって疑問と単純な心配で二者択一

邪推して離れていくか、変人として友人にしてくれるかの選別になった。


一学年毎のクラス判定によって、部屋替えが行われる。

学年毎ではなく、クラス毎に階が決まっていて最上位クラスは最上階、最下位クラスは一階

部屋の間取りは少し違う。

各部屋には使用人の部屋が隣接している。最上階はそれに加えもう一部屋ついて2部屋の使用人部屋

使用人を連れてくるかは人それぞれだが、部屋の内装同様に大抵は連れてきている。


が、

簡素で良い…それで充足するのだから。

部屋から一歩踏み出せば、

絢爛豪華な内装は何処でも見れる…自室までそうであれば疲れるだろ?

俺の意思を気が進まないと言いながらも母上や兄を抑えて自由にさせてくれた父上には感謝しないとな…



目の前のベット

そう、これこれ!

これがあれば大方満足に過ごせる


…何日かぶりのお気に入りのタオルケットと毛布にダイブする

久々にぬくぬくと肌触りを楽しみながら枕元にあるお気に入りの鉱石図鑑を開く


定番の水晶、沸石、緑柱石…一番好きな紫水晶

今度の有給には実習途中で見かけた洞窟と小川で何か採集できればなあ…


産地欄を見てみれば

小川で砂金、洞窟で水晶か、あそこで産出するならこの二種が主らしい


この前見たあの道具屋でピッケルと篩、皿を買って挑戦してみよう…採集は初めてだ

もしボウズでも夜営も出来るし釣りも出来る…良いことずくめ


明日から有給五日

早起きして道具屋、食料買って…




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