講義3
暫く、
窓から空を眺めた後机の上の物をバックへと終い始める
一旦荷物を部屋に置いて
食事に行こう…
そのまま行ってもいいが…肩が辛い
それにオニキスが食事管理したがっているし…
自室で待ち伏せされているに違いないからな。
痺れも少し収まった右手でバックを掛けなおす
日が落ちそうなオレンジ色の中
寮に向かい、
部屋に戻って暫く…
案の定二人がやって来た。
侍従に帰ってきたことを報告させてたのだろう
部屋の前にはルークが居た
俺を見るなり去っていった…のには流石に苦笑が漏れた
部屋に通すも…
何をするでもなくベットに座る二人
…放置しよう
明日の基礎講義と…野営の資料を抜いて保存食のものに入れ換える
ん?もしや今日みたいに保存食の講義も予習が…
帰ってきてからやるか
一旦バックを置くと
干していた洗濯物を取って畳む
改めて見た部屋
…一部凹んだベット
その横…少し離れた場所は
ささくれ…隠しきれなかったその断片を引き抜いた木枠の周りに乾いた血の染みがそのまま…
そりゃばれるよな…
溜め息を付いて
そこを避けるように座る二人…
それと…オニキスの隣に鎮座している薬箱を見る
…制服の上着を脱いで椅子にかけ
オニキスの目の前の床に座る
「…ぃっ…づ」
何も言わずに布と包帯を外していくオニキス
淡々と消毒され巻き直されていく…
畳んだシャツを着れば
また拘束衣並みにぐるぐる巻きだ…
…ありがとう
背を向けて上着を引っ掛けながら
…
朝よりは力の入る右腕を付いて立ち上がり、机の椅子に横向きにに座りながら
柄にもなくそう呟けば
「…なあ、ラピス」
「なに?」
「俺、怒って良いよな?」
「…」
手当て中開こうともしなかった口を開くオニキス
あの…なんの話でしょうかね?
物騒な単語が聞こえたのは気のせいだと、
耳がおかしくなったと考えても良いだろうかと逃避に走ろうと…
別のことを、
思考に潜ろうとした。
「あー、久し振りに一緒に飯が食えたってのに素っ気ない態度だって?」
「…ああ」
「確かに。オリゼが部屋に籠りがちになってからはほとんど誘っても来なかったよね。そう言えばいつも心配してた、食事のことだけじゃなくて…」
左を向けば…
薬箱を片付けているオニキスにラピスが言う
まあ、俺に聞かせるようにだろう…
長々と続くラピスと答えるオニキスの言葉…
丹精込めた薬は嫌そうにするし…
かと思えば此方の気も知らないで飲むし、さっさと切り上げて講義に向かうし
本当は敬語抜きにして昼くらい喋りながら食べたかった…?
ああ、仕方ないのは分かるが…
それに…体面気にして一緒に食べるのに気が進んでいないのも分かるって?
そうだね…寂しいよね
夕は無理でも…朝昼位は気にしないで楽しく過ごしたいよね…
絶対一週間後、適当に済ませるだろうしな
俺らを置いて
あー、オニキスも気づいてた?
絶対そうだよね、傷が治るまでしか付き合わなそう…
…
はあ…これはわざとだ、止まることのない会話の応酬に
これは終わらないパターン…だと察する、
ここまで露骨にされれば
右肘を机の縁に預けながら、
視線を机の木目に向けてながら…
そう、
聞き流そうとしても厭がおうにも気づくレベルで故意的なのだ
「…早朝なら付き合う。昼夕は…勘弁してくれ」
一週間はといっていたオニキス
傷が治ったら食事を二人とずらそうとしていたのがばれている…
良くない…流石に良くない
制服姿だけれど、一緒に席につくのは…どう見ても
嫌疑が晴れるまで…傷が治るまで嫡男として…
流石に厳しい言い訳だが殿下が指示したとでもすればなんとかなる
そう思って…付き合ってたんだ
それに心配してくれている…
どう思われようと俺らの勝手だろとまで言われては
無下にするわけにもいかない…
人目の少ない早朝…それもビュッフェだ
格式と人目を鑑みれば、
一番ましなのはそこしかない
そう思って
何の変哲もない、素朴な机上…木目に向かって言葉を吐いた




