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さて…と

寮に戻り使用人部屋向かう

入ってすぐに羽織の袖に入れたままだったアメジストの鉱石を取り出した

握りしめ、拳をつきだし出力する

出るときに解除していなかった二つの扉の魔方陣を解いた


机の上に置き直して椅子に座る。

軽く今日の復習でもするかと時計を見れば、

ラピスとの約束の時間までは一時間ほどしかない

が…しないよりはましだ




基礎講義だけで良いな

選択講義は実践だったし…

と、文学の教本を頭に乗せ、教材に目を通し始めた


普段とは違い、インクもガラスペンも使わない

危惧した通り…

頭に乗せた教本が、何度もずり落ち机の上に落ちそうになる


インクやガラス製のものを机に広げれば、

倒し…溢れたり割れて使い物にならなくなるだろうと思っていたが…

こりゃ…先が長い

座っていてこれなのだ。

歩いたり、給仕をしようものなら

直ぐに頭から、滑り落ちて本の装丁が台無しになるだろう…


つい前屈みになりそうになりながらも姿勢を正し、

講義内容のメモと教材を見比べていく





たしか、

地理学と戦術学は相関性があったよな

地図の地名と、難所、関所を確認していく


ずり落ちる教本を左手で押さえ直し

戦術学の該当するページを開く


戦術の進路選択

待ち伏せなら、この山間部

地形から見て、沢沿いに進む敵兵を撃墜しやすいのはそういう理由からか

追い詰めれば、滝がすぐにある

そのまま押し込めば転落、壊滅にも追い込めるか…


補給もしやすい

近くに天然の要塞とも言えるここ、

物資の保管場所や野営の場所にもなる

ここを拠点にすれば鋭気も体力も養える

なるほどな…




指揮官の技量、指導力、人望…

それに並び立つほど大切なことは、士気を保つこと

それには休息と食事


ただでさえ常に死と隣り合わせ

いつ攻めてくるか、いつ始まるか分からない敵兵の影に気を張りながら摩耗する精神と体


長引くにつれ

どれだけ優秀な指揮官であろうと、その力だけでは保てなくなってくる…

補給部隊の腕の見せ所だと教授が言っていた

衛生兵による体調管理

兵糧の管理と調達


精鋭を集めた部隊であろうと

その後方支援部隊がなければ遺憾なくその力は発揮できない

向かってくる敵よりも

仲間割れや、内部からの部隊崩壊が一番怖いのだと…

それを誘発する一因が

後方支援部隊が未熟であること


指揮官になるならば

後方支援部隊との連携、情報の把握や判断も要となってくる

戦略や陣の配置

兵力の分散、集約…

敵の戦力把握や駆け引き、交渉力



万が一のことがあれば…

マルコは総大将になるだろう

何人もの指揮官、それを束ねる将軍、副将軍を更に纏め上げる


俺には無理だな


概略だとざっくりと言われた講義内容でも俺にはもう手に余る

今後講義が進めば、

これらを更に突き詰めて…更に知略が求められていくのか…

はしりの座学でこれなら…先が思いやられるな

今日分の項目とメモを読み終えて教材と教本を閉じる



地図を代わりに引き寄せ

地理学の教本を開く…城下周辺だった

見慣れた場所ばかりだ…


こちらはさらりと目を通して、復習を済ませた




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