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謎の声

 その夜、急に目が覚めた。何かに呼ばれているような気がした。

『教会に来い』と頭に響く声。

 困るんですけど、明日冒険者としての初仕事ですけど。

 考えてもどうせ目は覚めてしまっている。暇だから行くことにした。

 


 教会では、なんか、白いひげを長く伸ばしたおじいさんが待っていた。ちょっと見覚えがあるような。「やあ、待っていたよ」

「すみません、お名前お伺いしてもよろしいでしょうか」

「わしは冥王神ハデスじゃ」

 ……名前を聞いたらあの世で一番偉い神様の名前を名乗った。この爺さん大丈夫か。

「ほら、あの時会ったじゃろう。わしじゃわし」

 今度は対面オレオレ詐欺か。駄目だ、多分ボケてる。

「わしじゃよ。覚えておるじゃろう、お前さんがこの世界に来た日の」

 …………今なんて言った。俺が異世界転生したことは誰にも言っていない。知っているのは俺と、後は……

「あっ、あの時の神様」

「そうじゃ。やっと思い出したか」

「それで、何で来たんですか」

「訊くと思ったわい」

 当然だ。

「本日はお前さんに大事なことを伝えに来た」

 大事なことってなんだろう。


「お前には……………………転生時特典(チート能力)与え忘れてた(てへぺろ☆)」


 ……は?

 


「いやぁ、すまんのぅ」

「すみません、意味がわからないので説明してください」

 どうやら、ひげのおじいさん――――ハデスによると、異世界転生した人には特典として、好きな特殊能力や武器が与えられるらしい。どれもこれもが反則級に強い。つまり、チートというわけだ。

「それが俺には与えられなかった、と」

「そうじゃ。忘れてしもうた」

「ちなみに年を聞いても……?」

「3日前に332歳になったとこじゃ」

 俺の22倍以上だと!? 呆れて言葉も出ない。

 どうすればいいのかわからないので帰ろうとしたら、「少し待つのじゃ」と止められた。

「今度は何ですか」

「話はまだ終わっておらんわ」

 何なんだ。

「お前さんには、ささやかな見返りを用意した」

 チート能力の代わりといったらよほどすごいものなんだろうな。金か、それとも特殊能力か。

「お前さんにはこれをやろう」といって出してきたものは、本だった。この世界の基礎知識という題名の立派な本だ。

「これには簡単な魔道書もついておる」とハデスが解説を加える。

 嬉しいけど……チート能力と見合うものなのか、これ。

「すまぬ。これしかなくてのう」

 とりあえず帰った。

 帰ってからじっくり読んだ。魔法も覚えておいた。そして、朝になった。


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