鬼の倒し方 Ⅰ
更新遅くなりました。すみません。
二日後、いよいよボス討伐本番だ。
この二日間、準備を重ねてきた。キクロプス討伐だってそうだ。
おかげでレベルは40まで上がり、使えるスキルも増えた。
その中で、ひとつのスキルを集中して育てておいた。12ポイントのSPを消費。そのほか、剣技スキルのレベルを一つ上昇。スキルポイントは使い切らずに貯めておいた。
片方の剣はキクロプス戦のときに曲がってしまったので、新しいものを買った。しかし、ナイトソードは、さすが王国騎士愛用の剣とあって、全然壊れない。重さもちょうどいいし。
これからあいつに戦いを挑むところだ。
剣二本と、いつも使っているミスリル合金使用の軽装鎧、ポーション類などが入った大容量の肩掛けポーチ、異世界に来てから購入した愛用の皮製ブーツなど、フル装備で出発する。
二人の仲間たちと合流してから、ダンジョンを降りていき、現在最下層とされているところまできた。
記憶はあまり消えないもので、少し複雑な迷宮を迷わずに降りていけた。
ちなみに、この三日間、大規模ではなかったものの、ボス討伐が行われたそうだ。結果は失敗。誰も帰ってくることはなかった。おそらく全員食われたのだろう。俺はよっぽどの幸運の持ち主だったとも言える。
こんなに恐ろしいものを相手にどうやって戦うべきか。
脳内で組み立てた勝利への道筋は、何度も頭の中でシミュレーションしている。でも、それはあくまで頭の中でのことだ。実際にやったこともないのに確実に成功させられるわけがない。
俺たちは、不安を胸に抱きつつ、彫刻が施された両開き引き戸の前に立った。
石の引き戸を開ければ、そこはもう戦場。血と肉の強いにおいに思わず顔をしかめる。
今度は慢心などせずによく注意し、観察した。
しばらくして、フォリッジが岩の隙間からそいつを発見した。
「ボスってこいつかい?」
「ああ、戦闘開始だ」
こうして、決戦は地味に、静かに、始まった。
レッサーオーガは岩陰から飛び出し、フォリッジに突撃。しかし、彼はそれをかわす。
俺とライケンはすぐに剣を抜いて、構える。そして、俺がかけられる肉体強化魔法をすべて発動。俺たち三人にかける。
そして、レッサーオーガに突撃。二本の剣で剣技をかわるがわる発動し続ける。
ライケンが「いったん離れろ!」と指示する。
指示どおりにバックステップで離れると、ライケンが詠唱を始める。
「赤竜よ!契約に従い、我が目の前の障害を焼き払え!!」
火炎が目の前を包み込む。赤き竜はレッサーオーガに傷を負わせた。
「ほう、なかなかやるようだな。ならば私も本気を出すしか…」
「隕石」
とりあえずうるさいから、メテオを叩き込んだ。敵の言葉は聴かぬ。
ちなみに、フォリッジも弓矢で遠くから攻撃している。しかし、当たらずにほかのところに刺さってしまうものも多かった。
周りの状況を見渡し、思わず顔がほころぶ。外れた矢がまわりの地面に刺さっていて、血はどこにもない。俺たちが隙を見せずに攻撃し続けた結果、攻撃をさせることはなかったのだ。
しかし、レッサーオーガは多少の傷がついた程度で、あまりダメージを追っていないらしい。
それでいい。計算どおりだ。
俺はMP回復ポーションを飲み、構える。
さあ、いよいよ本番だ。一か八かの、命をかけた勝負の始まりだ!
不定期更新(頻度低め)になります。
完結させる意思こそありますが、できるかどうかはわかりません。
これからも見ていただけると幸いです。