ダンジョンデビュー
翌日の朝。
ギルドで、ダンジョンに行くことを告げると、ダンジョンにいるモンスターのリストと今攻略されているところまでの地図をもらえた。
そして、朝からダンジョン攻略である。
どうにか今のレベルで魔石をゲットできそうだ。
ここは地下迷宮になっていて、今は地下15階まで攻略されているらしい。地下16階は現在攻略中とのこと。
そのうち、もう入れるところが無い、つまり完全攻略されたとされるのは地下12階までとされている。
ひとつしたの階に行くほど敵のレベルが上がっていっているが、ここはレベルが低いらしく、1階はLv.1、2階はLv.2というように、ひとつ下に行くと、ひとつレベルが上がっていっていた。
つまり、現在のレベルだと攻略中の階層は全部踏破でき、このままのペースで行くと、地下30階まではいけるはずだ。
そして、まだ攻略されていないところには魔石がある可能性がある。現に、今までに魔石が幾つか見つかっていた。ちなみに、それらはほとんど素材に使われてしまったという。
地下12階以下には魔石がある可能性がある。それを獲得できる可能性も高い。
なのでどうにかなるとふんだのだ。
・・・よし、行こう。
地下12階まで最短距離で行った。
途中、遭遇した魔物をほぼ一撃で倒して、あっという間に地下12階にたどり着いた。
ダンジョンの地下12階はほかの冒険者も多く、近くから時折戦闘している音が聞こえる。
地図と直感を元にまだ探索していないエリアを調べる。
長い洞窟のようになっているダンジョン。その中には魔物が潜んでいる。
コボルトが現れた。
俺に対して今にも襲い掛かろうとしている。
理性の無いタイプのやつらしい。討伐対象だ。
「ガルルルル」
俺に対して牙をむいて、刃物を構えている。無謀にも、一体で俺に立ち向かおうとしているのだ。
こちらも武器を構えた。それなら返り討ちにしてやるまでだ!かかって来い!!と、心の中で挑発しながら。
刃物を振りかざし襲い掛かるコボルト。
(ふっ、俺に立ち向かったその勇気は認めてやろう。だが、相手が悪かったようだな・・・!)
コボルトが振った片手持ちの刃物をかわし、前に一歩出て、コボルトの腹を目掛けて、右手の剣を左側から勢いをつけて振った。
防具に守られていないコボルトの腹は一撃で真っ二つに切れた。
恐らく即死だったと思われる。
(・・・ナイスガッツだったぜ、コボルト)
心の中で、相手をたたえた。
死骸の中から、武器と、お金の入った袋を取り、先の攻略を急いだ。