魔力が足りねぇ!!
新章突入です!
あれから、ワンダーランドのメンバーとは、一緒に狩に行く間柄となった。
無論、毎回ではなく、俺が一人で暇つぶしがてら行くこともあれば、ワンダーランドの方も今までどおり単独で行っていたりもする。
ただ、定期的に一緒に狩をして、絆を深め合ったりするのだ。
まさしく、冒険者の絆である。
しかし、俺には一つ、大きな弱点を持っていた。
家でクエストの振り返りをして、突如嘆いた。
「魔力が足りねぇっ!!」
「いきなりどうしたんだ?」
だって、よく考えると、俺は隕石という高火力魔法を持っている。気配を察知される前にそれを使えば圧倒的に戦闘は楽になる。それがいつもの手だ。
しかし、それは、高火力ゆえに魔力消費も多い。実に、40もの魔力を使ってしまうのだ。それは俺の保有魔力の約半分に匹敵する。
さらに、俺は魔法剣士だ。魔法や剣技で、俺に足りない攻撃力を補う形を取っている。そのため、40の魔力などすぐに使い果たしてしまう。
そして、終わったら終わったで、魔物と遭い、戦闘することもある。
そのため、クエスト終わりには魔力切れでぐったりしているのが常だった。
メテオ攻撃を後何発か打てれば、もっとクエストは楽にすむかもしれない。魔力切れで戦えなくなることが無くなれば、もっとましに戦えるかもしれない。
後、日頃の火力不足も否めない。
俺の魔法は、隕石を除いて、相手にダメージを与えることも望めない、肉体強化や、攻撃補助などの魔法だ。せめて、火花魔法でダメージを与えられればいいのだが、それよりも相手を麻痺させることに特化されているらしく、魔法強化魔法も、魔法威力増加スキルも、そちらに振られているようだ。
今日は、一人でクエストに行ったが、帰りの道中、魔物に襲われて命からがら逃げ出した。どうにかして魔物を倒したはいいものの、回復魔法を使えず、クエスト報告をした後、医者に行った。
幸い、大事には至っておらず、肩に包帯を巻いてもらったが、まだ傷が痛む。回復魔法が使えれば、そこまでひどくならずに、痛みもすぐに引いたのに。
そこで、先ほどの「魔力が足りねぇっ!!」につながるわけだ。
「何か、魔力を増やすアイテムがあればいいのに・・・」
「ああ、それなら、これがいいんじゃないか」
近くにいたマッチョウさんが、引き出しから出したのは、紙だった。
「これは何ですか?」
「使用者の魔力を大幅に引き上げる、魔力増強の杖のレシピだ。これを鍛冶屋のおっさんに渡せば、作ってくれるだろう」
・・・ありがとうございます。