表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/184

大きな町

 気付いたら知らない場所にいた。石を積んで作られた家のようだ。

 窓から明るい光が差し込んでいる。

 ベッドに寝かされていたようで、そばには禿げているマッチョのおっさんがいた。

「お、起きたか」

 この声は、さっき俺を助けてくれた男の声だ。彼が俺を助けたのだろう。俺は起き上がり、ベッドに座り、そのまま頭を下げ、

「先ほどは助けていただきありがとうございました!」

 と礼を言った。

「ちょっと落ち着け。腹も減っているだろう」

 と男がなだめるように言う。

 俺の腹が大きく音を立てた。

 


 彼は町の酒場に連れて行ってくれた。

 お互いに自己紹介をした。

 彼の名前は、スキン・マッチョウ。見た目どおりの名前だった。本人の前では言わなかったが。

 彼は冒険者をやっていて、昨日、魔獣討伐に出かけたら、ターゲットの魔獣が俺を襲っていたので討伐ついでに連れ帰ったそうだ。

 街の雰囲気はまさに異世界というべきものだった。さまざまな種族の人たちがひしめき合っている。人間が多いが、たまに獣の耳が生えた人がいたし、昨日見かけたようなトカゲ男(リザードマンというらしい)もいた。

 


「さあ、どれにする?奢るぜ」

 そういってマッチョウさんが差し出してくれたメニューの言語はなんと、日本語だった。いや、よく見たら漢字が少し違う。しかし、日本語とほとんど同じようだった。とりあえず、ウルヴェン(昨日俺を襲った魔獣)肉のステーキが美味しそうだったのでそれにした。予想通り美味しかった。

 


 食事中にマッチョウさんはこんな事を訊いてきた。

「ところで、お前どうしてここに来たんだ?」

 やっぱり聞くと思った。俺は、考えていた答えを口にする。

「田舎の村で育ちまして、仕事を探しに町に出ようとしたら魔獣に襲われまして」

 異世界で死んで転生してきたなんていったら信じてもらえない上に、笑い話になるだろう。

 こんな事も訊かれた。

「お前、冒険者になる気はあるか?」


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=258419453&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ