表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/184

この気持ちはなんだろう―――アリス

エンテの町随一の美少女、アリスは何かを考えているようだ。





いつもと同じはずなのに、頭にある人のことが浮かんでいて、彼の顔が見えると、どきどきして、胸が痛くて、苦しいんだ。

病気かなぁ。でも、おなかはいつも通りにすいているし、ただの疲れかな。

でも、一度彼の顔が見えなくなると、とっても不安になるんだ。

何でかはわからないし、ちょっとおかしいのかも。

だけど、悪いこととは思えないんだよね、これ。

さっきから・・・・・さっきあたしたちを助けてくれたときから君と話したいんだ。君の話を聞きたいんだ。君の声を聞きたいんだ。

あ、あの人が近づいてきた。ちょっと話そう。

そういって歩いてきたジュンヤに近づいていって、「ジュンヤ君」と話しかけた。

「え、何」

彼はちょっと顔を赤くさせて振り向いた。アリスは顔を耳まで赤くして、話した。

「ね、ねぇ。ちょっと話したいんだけど、いいかな」

「うんいいけど、顔真っ赤だよ」

えっ。妙に顔が熱いと思っていたらそんなになっていたの。やっぱりあたしおかしいのかなぁ。でも、

「平気だよ。大丈夫。それよりも、さっきのすごかった。ありがとう」

「こっちこそ。あの時は君がいないと、死んでたよ。本当にありがとう。あと、今度“ワンダーランド”と一緒にクエストをすることにした」

ワンダーランドとは、アリスたちが加入している冒険者パーティーで、紳士的な騎士クラスの少年、リーダーのラビ、気まぐれ猫系女子の僧侶、チェシャ、そして町で一、二を争うほどの美少女でだいぶ強い魔法使い、アリスの三人パーティーである。

「え、ほんと?嬉しい!」

アリスははしゃいだかのように言った。これは彼女の本心だった。

「え?何で」

「わからない。でも、嬉しいんだ」

「そうなんだ。君が喜んでくれて、俺も嬉しいよ」

そういって微笑むジュンヤ。

どうしよう、キミのことを見ているだけで、胸が高鳴っていくんだ。

もっと話してたいんだ。

「ところで、ほんとに大丈夫なのか?頭から湯気が出ているけど」

えっ。大丈夫なはず・・・あっ、やばいかも。顔がものすごく熱い・・・。

「やばいかも。じゃあ、また今度ね」

「うん。お大事に~」


そういって立ち去っていくジュンヤ。

そんな彼をぼうっと見つめるアリス。


(この胸のどきどき、今まで14年間生きてきて初めて。この気持ちはなんだろう)


これが恋であることを、彼女はまだ知らない・・・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=258419453&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ