森林
ここはやはり落ち着く。誰もいないし、空気も綺麗だ。
俺は森の中の木を根元で切って作った切り株に腰掛けて落ち着いていた。
褒められるのも悪くないが、静かな方が好きだ。
あれはさすがに騒がしすぎる・・・。
誰もいないと思ってぼーっとしていたら、追っ手が来たようだ。
遠くから人の声が・・・・・あれ、人か?しゃべっているのは人じゃなさそうだ・・・。
人の言葉じゃない・・・・まさにぎゃいぎゃいといったあれは・・・・・ゴブリン語だ!
あの時倒しきれていなかったのか・・・!
ゴブリンが迫ってくる。見えてきたやつらの数は・・・・・5体。
防具をつけていない状態でこれはきつい。
私服の状態だと防御力はゼロに等しい。
俺は戦いから逃れられない運命なのだろうか・・・。
そう考えながら剣を引き抜き、構える。
俺を見つけたゴブリンは今日のご飯を見つけたとばかりに襲いかかってきた。
防具はほぼ無し、おまけに武器もこの短剣ひとつだけ。俺が得意とする二刀流剣術も使えない。
対して、あいつらは武器を持っている。防具もちゃんとしているようだ。しかし、ふらふらしている。ここ数日何も食べていないようだ。
戦闘が始まった。
肉体強化を最大限にかけてあるとはいえ、俺のものはさほど強く無い。
少ない魔法を最大限に駆使した戦法。4発か5発当たったら死ぬぎりぎりの戦い。回復はし続けているが、それもMPが切れるまでだ。
15分ぐらい戦い続けて何とか勝利。素材を採ってから町に戻る。
しかし、まさかゴブリンの残党がいるとはな。ギルドに伝えとこう。まぁ、あまり多くは無いだろうが。
思っていたら、近くにゴブリンに襲われている人がいるではないか。しかもあの金髪碧眼は・・・
「アリスちゃん達じゃねーか!」
アリスを中心とする冒険者パーティーだった。
この町でストレートロングのさらさらの金髪と綺麗な青い目を持つ美少女といえばアリスしかいない。
「ちょっと、これ、数が、多い、誰か、助けて」
ほかのメンバーも戦っているが、大体20体はいるゴブリンたちを3人で倒している。
しかも、女子二人に男子一人というパーティーで、アリスを含む女子二人は明らかに後衛(魔法使いと僧侶のようだ)のはずなのに、彼女らまでゴブリンにたかられている。
男女差別ではないが、女子は男子よりも体力が少ない。そのため、少女達の体力消費は戦士の男よりも激しいようだ。
よし、助けよう。べ、別に下心があったわけじゃないからなっ!