そして、戦う。
戦いが始まった。とはいっても戦況は俺の防戦一方だ。
攻撃したらいろいろとまずいことになったりしそうだ。。
なるべく攻撃せずに相手を弱らせる方法・・・・・剣を使う・・・・・攻撃じゃないか。駄目だ。ほかの方法・・・・・魔法・・・・・建物を破壊してしまう・・・・・これも却下・・・いや、あるじゃないか!建物を壊さずに相手の動きを止める方法!
決まってから俺は迷わずカウンターのそばへ退避。右手を突き出し、魔力を一点に集中させ、
「スパーク!!」
魔力を込めた低威力火花魔法は見事相手に命中。
バチッ
光が迸る。
「そんなの痛くも痒くもねぇよ!ばかかてめぇは!!」
そんな事はわかっている。この魔法が与えるダメージはほんのわずか。しかし、そのほかの効果はしっかり効いているらしい。
「てめぇをボコッて大人のベテラン冒険者の恐ろしさを教えてやる・・・っ!?体が動かねぇ!?てめぇ・・・何を・・・!」
彼の体にはびりびりと電撃が迸っている。スタン状態になったようだ。
よし、作戦成功。
「すみません。衛兵さん来てくださ~い」
そういうと、ちょうどここにいたらしい衛兵が彼を担いで持っていった。
ちなみに、俺も注意されるかと思ったら逆にものすごい歓声をもらった。そしてめっちゃ褒めちぎられた。
俺は疲れたので、逃げるように建物から出て行って、平和になった―――あるいは寂しくなった―――森へと逃げていった。