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草原にて

 人間のようなものが全く通らない。

 ただし、文明的なものがあることは、トカゲ男が鎧を纏って荷物を運んでいたことからわかった。

 この道の先には村があるのだろうか。

 考えているだけでは何も変わらないので、動くことにした。

 この先の村に行こう。そうすればどうにかなるはずだ。


 

 ――約15分歩いた。つい誰が聞くでもないのに弱音を吐く。

「腹減ったぁ」

 そういえば昼から何も食べていない。

 もう日が傾き始めた。

 食べるものを探しても食べものは無く、野宿をしようにも必要なものが無い。というか、ここで野宿をしたら野獣や魔物に襲われかねない。寝ているところを襲われたら確実に死ぬだろう。二度目の人生を半日で終わらせたくは無い。なので、歩き続けるしかない。


 

 ――1時間30分は歩いただろうか。人どころかトカゲ男にも会わない。

 魔物とは何度かすれ違ったが、そのほとんどがスライムだった。食べられそうにもないし、そもそも倒せない。

 景色はずっと変わらず、一面の草原の真ん中に黄土色の土がむき出しの道があるだけだ。村なんて無い。そう思ってしまう。精神が擦り切れそうだ。そんな事を考えつつ歩き続ける。





 ――どのくらい歩いただろう。もう空は暗く、星が綺麗に輝いている。もう走れないし歩くのがやっとである。

 誰もいない。何も無い。そこに変化が生じた。突然魔獣が現れた。

 自分より1メートルほど高い身長、グルグルと唸りながらこちらに近づく4本足の獣。巨大な犬だった。

 頭の上に来た大きな口をあけて頭に喰らいつこうとする魔獣に、俺は成す術なんて無かった。

 犬に食われて死ぬ。神様がくれたチャンスを一瞬で棒に振った。

 そう思ったとき、一人の男が現れた。

 その男は、魔獣を後ろから剣で斬った。

 魔獣の注意は彼に向いたようだった。

 彼は魔獣と戦い、すぐに勝った。

 魔獣は倒れ、血を撒き散らす。彼は、俺に気付いたようでこっちに向かって話しかけてきた。

 野太い声で「おーい大丈夫かー」

「食べ物ください」

 答えになっていないことに気付かずにそのまま安心して倒れこんだのだった。



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