暗黒のサバト
残酷表現注意
「こ、この我を倒したとて何も変わらぬぞ。だから殺さなくてもよいだろう」
「そうなんだ。でも殺す。殺したいから・・・」
ぐふふ・・・と邪悪に満ちた顔で嗤う悪魔と、悪辣の限りを尽くしたゴブリンの王。そのふたりが対峙していた。
悪魔は跳躍し、ゴブキングの腹を切り裂いた。
「良いはらわただ・・・良いねぇ・・・ぐふふ」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ」
多くのゴブリンを率いた王の姿はそこにはない。いるのは殺す者と殺される者、それだけだ。
「この腸を切り裂こう・・・いや、神経そのものを直接切り裂こうかな・・・・・ああ、最初は内臓全部をズッタズタに切り裂こう・・・良い絶望を見られそうだ・・・・・・・」
どうやって嬲り殺すかを考える悪魔。
「ああ、止めて止めて止めて止めて止め・・・」
「うるさい」
虐殺者にはいかなる言葉も――命乞いも届かず、悪魔は無常にも命乞いをする喉を剣で潰した。
そして、喋るものが自分のほかにいなくなったことを確認してから、悪魔は絶望を刻み付けるように言った。
「じゃぁ、殺るよ」
言うと、その宣言どおりに切り裂いた腹に剣を入れ、内臓全部をズッタズタに切り裂いた。
ゴブキングは、声にならない――することができない悲鳴を上げ、死んだ。
―――と思われた。
「・・・・何を・・・している・・・」
「やだなぁ。そんなこともわからないの?・・・あぁ、絶望で脳細胞がやられたのか。じゃぁ教えてあげるよ」
そして、残酷なる悪魔は、真の絶望を告げた。
「キミを回復しているんだよ。もっともっと絶望させてあげる・・・。永遠の痛みと苦しみにおぼれて消え去れ・・・くっふっふっふっふっふっふ・・・くぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁぁぁぁぁぁ!!!」
少年の形をした殺戮者は、虐殺に悦び、嗤う。
その姿は狂ったような殺し方を好む、狂った悪魔そのものだった。
鳴り叫ぶ悲鳴は夜明けまで3時間近くも続いた。悪魔の狂演は夜明けとともに終わった。
後から冒険者が見に行くと、そこには狂気を感じさせる、肉塊が転がる血の海で、その肉塊の一つに血で体を汚したユウが気持ちよさげに寝ていたという。
そして、その近くには、絶望に固まったゴブリンの首が置いてあったという。
まだもう少し続きます。
次回、後日談編に突入。