あいつらの正体
400年前、大規模なゴブリン討伐が行われ、ゴブリンの数を大きく減らした。その時の記録に書いてあったものの中に、〔キンコツゴブリン〕というものがあった。
“〔キンコツゴブリン〕 それは大柄で筋骨隆々、気性大変荒く、また恐るべき強さを誇る。大変危険なり。”
と、そう書いてあった。
「そんなやつだったのかよ」
そうつぶやいたのはマッチョウさん。確かにさっき遭ったやつがそんなやばいものだと知ると、とても怖い。
「しかし、こいつは確か、“絶滅”と書いてあったはずじゃぞ」
あいつらは何故今になって出てきたのだろう。
・・・・・そのキンコツゴブリンの末裔・・・・・違う。それであれば今まで発見されずにいたことが説明出来ない。・・・・・突然変異はどうだ・・・・・いや、あれは4体位いた。あんなに多くて突然変異ということは無いだろう。じゃあ、何なんだ、あいつらは。
しかし、ほかの人はそれを全く気にしていないようだ。
確かに、今は現れた理由よりも、それの対策の方が重要だろう。
「多分奴らはもうすぐ町に攻め入るじゃろう。放っておけば町は滅びるぞ」
「町の警備を強化すれば・・・」
いいじゃないか。と、提案しようとした俺の声は町長であるカイによってさえぎられた。
「いや、そうもいかねえ。予算もないし、人もいない。しかも、ここは王都からだいぶ離れているから騎士を呼んでも、着くころには町は滅びているだろう」
じゃあどうすればいいんだ。出来ることは無いじゃないか・・・。
ここで、マッチョウさんがすごいことを言い出した。
「いっそ、やつらの巣を見つけて、根絶やしにしませんか?」
「「「それだ!」」」