何だこの魔法陣?
俺達は風呂から出て、俺は未だに驚きでまともな思考回路ができないでいる中
エフィさんは何時ものメイド服で、いつも通りどこか事務的な声で
「それではミシェル様、私はこれで失礼します。」
そう言ってエフィさんは部屋を出て行った。
やっぱりお風呂に入ってる時だけ、調子良く喋ってくれるらしい。
目が覚めてから1年が経ち
ほとんどの日常的な行動を出来るようになって、ひとつ解ったことがある、ここは魔王様ーーいわゆるこの世界の父さんの所有する別館の中の一つらしい、何で別館に居るかわ分からないが、まあそのうち解るでしょ。
しかし、まだ全然この世界の事を知らないな、
やっぱり知識と言ったら本だよな、エフィさんが来たら聞いてみよう
てゆうか俺、両親すら見たこと無いんだけど、父さんなら魔王で忙しいんだろうけど、母さんは合ったことすらねえよ。(つーか、魔王の仕事ってなんだよ!何とな〜く忙しそうなのは判る。)
エフィさん遅いな、そうだ最近発見したアレを使おう
俺は壁を何回か叩き、少し待つと
ガチャッ
。
ほら、エフィさんが来た、この技は俺が壁を遊びで叩いていたら、エフィさんが何事かと入って来たことに始まる、そうして何度か呼んでいたらエフィさんも、もう分かっているのか、矢継ぎ早に用事を聞いてくる。
「どうしましたか、ミシェル様。」
「本が読みたいんですが、有りますか?」
「本⋯⋯ですか?何にお使いになられるんですか?」
「はい、このせかいーーいえ学習のためにちょっと。あったら持ってきてくれませんか(あぶねー!口滑らす所だった!)」
「分かりました、ちょっとお待ち下さい。」
そう言ってエフィさんは扉の向こうに消えて行った
ーーーーエフィーーーー
ミシェル様が本を読みたいと仰った、私は命令通り本を持って来るだけですが、この世界の本は高く、あまり無いので、
この館にも5冊しかないですし、全部魔王様の所有物ですが。
まあ、良いでしょうこれだけでも
しかしミシェル様に読めるんでしょうか、ミシェル様に文字なんて教えていませんし、それにまだ赤ちゃんですからね。
文字何て貴族か、学校とかに行き、自分から知ろうとしなければ知り得ない知識ですから
私も知りませんし、でも読めないのに読む必要があるのでしょうか、しかし読めないから駄目と言うのは
ミシェル様が可哀想ですね
読めなくて拗ねなければ良いのですが、でも命令されたんですから、持ってくしかないですね。
(⋯⋯しかし、重いですね、別けて運んだ方が良かったでしょうか?)
ーーーーミシェルーーーー
エフィさんが本を持ってきくれた、五冊ともなかなかに分厚く重そうである、
それを一度で持ってきてくれたエフィさんには、感謝してもし切れない。
早速本を1冊、手に取り読んでみた、しかし
(うっ!⋯⋯よ、読めねぇ!)
言葉もわかるようになったし、少しは分かると思ったんだけど、一文字も分からん
どうするかと本をペラペラめくっていたら、一枚の紙がペラっと地面に落ちた
何だこの紙、中に魔方陣が描かれてる、何かあるっぽい
けど、今は分からないしまだいいか、と本に戻そうと紙に触れたら、
突然紙が光り、徐々に光りが強くなり、目も開けられないほど、まばゆい光りになった。