ここまでのあらすじ
第十章までのあらすじです。続けて読み進めている方には不要ですので読み飛ばしてください。
『剣魔術』の使い手であるアルディスは、討伐、護衛、調査など、報酬次第で様々な依頼を請け負う傭兵のひとり。
ある調査依頼の帰り道、野盗に襲われた隊商の生き残りである双子の少女たちを保護することになるが、この世界で双子は『忌み子』として厭われる存在であった。
なぜか彼を主と仰ぐ正体不明の女がそこへ加わり四人での生活がはじまったのと時を同じくして、双子を匿っていることが領主に知れてしまう。追い立てられたアルディスたちは魔物や危険な獣が跋扈する森の中へと居を構え、活動の場を王都へ移すことにした。
王国を悩ませる三大強魔を討伐し、都市国家レイティンの防衛戦を経てアルディスは着実に名声を得ていく。
レイティンを後にして王都へと戻ったアルディスは教会からの護衛依頼を、護衛対象が顔見知りということもあって渋々請け負う。
ソルテという聖女候補の護衛についたアルディスはその道中でかつての相棒であった黄金色の獣ロナと再会し、行動を共にすることとなった。
それから四年の月日が経った。
仲間の手がかりを探して各地を点々としていたアルディスは王都でキリルと再会し、ちょうど良いとばかりに双子の家庭教師をキリルに依頼する。森の中にある家まで行き来できる実力を身につけてもらうため、アルディスは直々にキリルを鍛えることになり、その結果キリルは学生として常識外のともいえる魔術師に成長していく。
そんなある日、アルディスたちの暮らすナグラス王国が隣国エルメニア帝国からの宣戦布告を受ける。