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第1話 第5部隊の一般召喚士の話

まさかのサイドストーリー開始!

まずはレイクサイド召喚騎士団のモブからだ!なんでモブ?そんなん、他のキャラとか書いてて本編に影響したらまずいからに決まってる!だって、今結構飲んでるもんね!(ビール1リットル+ウイスキー4杯目)



酔った勢いではじめてしまったけど、やっちゃった物はしかたない!

テキトーに続けていくぜ!

 その噂を聞いた時に運命だと思った。


「レイクサイド領では召喚魔法に資質のある奴を募集しているらしい。」


 召喚魔法だと?魔力の効率がすこぶる悪くて、契約に金のかかる魔法に人気なんてなかった。事実、俺もたまたま手に入れる事のできた魔石を使って召喚契約を結ぶまでは素質なんてないと思っていたくらいだ。

『契約を望むか?』

「あ、ああ。」

なんとなく返事しただけだが、溢れんばかりの喜びに満ちた。これが召喚契約というものか。呼びかけに応じていつでも出てくる俺だけの眷属。他の人間とはちがって俺をバカにしたりしない。友の極端に少ない俺にとって、召喚魔法は救いそのものだった。だが、誰にも評価されない。眷属が増える事がないからだ。増やすためには命をかけるか、金をかけるしかない。どちらも、できなかった。

「お前がいてくれるだけでもいいかもな。」

しかし、眷属は眷属であり、俺は心の中では純人との交流を求めていたのだろう。できるだけ注意を引こうとバカな事もやってみた。一旦は俺を笑ってくれる奴もいたが、ずっと一緒にはいてくれなかった。

『主よ、落ち込むな。』

眷属は俺を慰めてくれた。俺も、こいつとともに生きていくのは悪くないと思った。でも、ずっとインセクトキラービーを召喚しているとうるさいんだよ・・・。


 そんな時だ。その噂を聞いたのは。

「素質?やる気でなんとかならねえか?」

とりあえず、全てをなげうってレイクサイド領へ行く決心をした。これを逃せば俺は今の俺のままだ。いつかは二つ名を持つでっかい男になってやる!


 命からがらにレイクサイド領に着いた時には数名の同志たちが騎士団への入団試験を受けている時だった。

「うむ、お前は第5部隊入隊としよう。ようこそレイクサイド召喚騎士団へ!」

筆頭召喚士のフィリップ=オーケストラ様はそう言ってくれた。ようこそ?俺を歓迎してくれるのか?こんな俺を?


 召喚騎士団をまとめる次期当主ハルキ=レイクサイド様は俺の予想以上の方だった。召喚魔法がこんなにもすごい物だと思い知らされたのはこの時だ。なにせクレイゴーレムを召喚するのだ、しかも2体同時に。これはすごい!召喚獣にも興味が湧いた。全ての召喚獣を知りたい!俺の眷属を増やしたい!一生、この方たちに付いて行こうと思う。男が決めた事だ。命をかけても惜しくはない。


 配属された第5部隊はヘテロ隊長の部隊だった。「フェンリルの冷騎士」と呼ばれるようになるヘテロ隊長もすごい人だった。まず、勝てる気がしない。召喚魔法もすごかったが、それよりもありえないのが任務遂行能力だ。軽い口調とは裏腹に隊長のやる事成す事全てに執念を感じる。上司に恵まれた。この時はそう思った。でも、他の隊も全て上司に恵まれていた。つまる所、5人の部隊長を教育したハルキ=レイクサイド様の凄さを思い知った。だって、騎士団団長とかひどいものだったんだぜ?


 その後、我らがレイクサイド領は快進撃を続けた。あっという間に内政を充実させ、各地の領地との関係を持ち、そして魔人族の襲撃では大活躍をした。ハルキ=レイクサイド様の名前は全国に轟き、なんとフィリップ様やウォルター様、ヘテロ様までもがその活躍を噂されるような人となった。戦に出る前の先陣式で、部隊長の召喚の儀式があったが、その際にハルキ様が召喚したレッドドラゴンが忘れられない。力の限り叫び、枯れるまで泣いた。俺はこの召喚騎士団に入れたことを心から誇りに思った。



 いつしか俺たち第5部隊は移動特化型の神速部隊と言われるようになっていた。誰も追いつけない速度で戦場どころか、全国を駆け巡る。さらには国外にまで行く後輩も出てきた。


 そんな時に事件が起こった。



「ハルキ様!何があったんですか!?」

レイクサイド領主館で仕事をしていた俺たちの所にハルキ様が魔王テツヤ=ヒノモト様と最近部下にしたビューリングという獣人とともに帰ってきた。テツヤ様は服がボロボロだし、ビューリングは右手が枯れたかのようにしわがれている。なんだあれは?

「フィリップ!今すぐ出撃できる人間をリストアップしろ。少なくともフェンリル召喚ができるものとその後ろに乗ることのできる破壊魔法担当だ。いや、回復担当も挙げろ。それに誰かビューリングの右手を見てやってくれ。同じような症状を見たことがあるものがいたら最優先で俺のところに来させろ。爺!騎士団から身体能力の特に優れたものを選べ、魔力は考慮するな!ヒノモト国の人間はいるか!?魔喰らいについての伝承をまとめてもらって報告しろ。」

やばい、本気の時のハルキ様だ。スイッチが入ったハルキ様は尋常じゃない働きを見せる。そう、本気でこの超優秀なレイクサイド領の最高頭脳たちが誰ひとりついて行けないほどに。

「一刻を争う。下手したら大森林がなくなるぞ!部隊長と騎士団の主だったものは緊急会議だ。テツヤも参加してくれ!会議が終わり次第、ジギル=シルフィードにワイバーンを飛ばせる用意をしておけ!」

「ワイバーン飛ばす役は任すッス!」

ヘテロ隊長が俺に言った。

「はい!」

まさか、この重要な役目を俺に!?絶対にやり遂げて見せます!俺はヘテロ隊長の部下ですから!


 会議が終わってハルキ様たちが出てきた。ビューリングのしわがれた腕を触ってる。あれは治らないと言われているようだが・・・。

「それでだな、・・・おいビューリング。やはり回復魔法ではだめだったか。」

「ああ、無理みたいだ。」

「よっと。」

ハルキ様が枯れた右手にを触ると、みるみるうちに右手が元の太さに戻った。

「おお!!」

「さすがハルキ様!」

「ホープ、いやハルキ・・・俺はもうすべてを諦めようとしていた。本当にありがとう。お前と友でいられた事を光栄に思うよ。」

なんて事だ!さすがはハルキ様!

「これは魔力を喰われたんだ。だから魔力を補充してやっただけ。つまり魔喰らいはその名の通り魔力を喰う生物だ。物理攻撃には対処できないはず。それでもあの触手攻撃とかはかなり厄介だ。だからこそ皆のちからが必要・・・・・・だ?・・・いや待てよ。」

さあ!ワイバーンで飛ぶ係は俺です!誰よりも早くシルフィード領へ!

「ああ、ちょっと今までのなし!!」

えええぇぇぇ!!!

「はい!レイクサイド召喚騎士団集合!ワイバーン使えるやつ手を挙げろ!はい!それ以外解散!」


「作戦変更だ!先ほど言ったように「魔喰らい」は魔力を喰う生物だ。逆に言えば、あいつは魔力しか食うことができん!そこで、俺が囮になるから魔力を帯びてない網と麻袋であれを捕まえろ!では、一刻も早く縄で作る網のと麻袋の作成を急げ!」

え?まあ、理屈で言えばそうかもしれん。言われてみて初めて気付くような作戦だけど、それはハルキ様だしな!

「待つッス!その囮は俺がやるッスよ!ハルキ様に危ない事させられないッス!」

ヘテロ隊長!?やばい、頭が混乱しててこんな事にも気が付かないなんて!そんな危険な役目はヘテロ隊長にもさせられないぞ!

「その役目、俺にやらせてください!」

「お前には無理ッス。ハルキ様のワイバーンがやられたの聞いてなかったッスか?黙ってろッス。」

・・・すいませんでした。

「お、おいヘテロ、何もそこまで・・・。」

「部下が身の程を知らないのは隊長の責任ッス。申し訳ないッス。」

「・・・・・・ま、まあいいや。でも本当に危険だから俺やるよ?」

「ダメッス!俺がやるッス!」

「そ、そうか・・・。」

やらかしてしまった・・・。


 結局、ヘテロ隊長でも2頭のワイバーンが食われ、3頭目でようやく網の罠を仕掛けた場所までおびき寄せる事ができた。俺は、まだまだ未熟ものだと思い知らされた。


「あの時はすまんかったッス。でも俺は部下に無駄死にして欲しいわけじゃないッスよ。」

ヘテロ隊長!

「俺の方こそ、本当に身の程知らずですいませんでした。こんな事が二度とないように・・・。」

「あの言葉は嬉しかったッス。俺がハルキ様を想ってたように、お前も俺を想ってくれてたッスね?」

ヘテロ隊ー長ー!!

「なんで泣くッスか?まあ、俺もさっきまでワイ太郎とワイ次郎が強制送還されてへこんでたッスけどね。ビューリングに話したらスッキリしたッス。」

ヘーテーロー隊ー長ー!!

「い、一生ついていぎばず・・・。」

「当たり前ッス。戦場で死ぬまで俺の部下ッスよ!」

俺、ここに来て良かった!


 それから俺は訓練に訓練を重ねた。全てはレイクサイド領の、ハルキ様の、そしてヘテロ隊長のために。いつしか召喚騎士団でもそれなりの召喚数と知識を持つようになった俺は重大任務を言いつけられる。


「おい、ヨーレン!お前誰も後ろに乗ってくれないみたいだし、ハルキ様係な!」


ちょっと待て、その言い方だと俺に友達いなくて、しかも誰もハルキ様をワイバーンの後ろに乗せたがらないみたいに聞こえるぞ?え?その通りだって?まじかよ・・・。



え?モブじゃなかったって?え?あいつモブじゃねえの?

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