購買の指輪とメロンパン
四時間目終了のチャイムが鳴ると、クラスの半分の人たちは購買に行くために走り出す。金曜日の一日3つ限定のメロンパンを買うために。
しかし、それは絶対にかなわない。
なぜなら購買組の類、咲、春が買い占めてしまうからである。
俺と真輝は弁当組だから、購買によらずにそのまま屋上へ向かう。
「やっぱり、今日も3人が買い占めちゃうのかな?他の人かわいそう」
真輝はいつもこの言葉を言っているが、ニコニコしてるからあまり憐れんでいるようには見えないな。
屋上には、10人ぐらいの人がいたが俺たちが毎日座ってる場所は毎回あいている。疑問に思うこともあったが、もう慣れてしまったので気にしない。真輝とお弁当を食べていると、三人が帰ってきた。
「「「ただいま~」」」
小走りで近づいてくる三人の手にはメロンパン。今日も三人が買い占めてしまったんだな。購買組の人ご愁傷様です。
三人は俺たちのところに座ってメロンパンをほおばっている。すると類が目を見開きばっと顔を上げた。
「春、咲、一大事だ。こりゃ大変なものがはいっとるぞ」
「僕もだよ、類。しかもストーン付いてる」
「私も付いてるよ、ストーン・・・。」
どうしたのだろう?真輝と顔を見合わせていると類と春が立ちあがった。
「「よっしゃぁぁぁぁっ!!!」」
咲も叫びはしなかったが、嬉しそうにじっとストーンのついたリングを見ている。
何事だよ。ふと類の右手を見ると、類の手にも銀のリングが握られていた。
「類、その右手に握られているのはなんだ?」
疑問に思ったから質問してみる。
「はっ!弁当組の宇宙は知らないのか。これは購買の指輪と言われていて、これを見せると購買の商品がすべてタダになる神アイテムだ!」
「それに、指輪の真ん中にストーンが付いていると購買で2つの指輪に交換してくれるんだよっ!ちょ―すごいでしょ!」
類と春は興奮して顔を真っ赤にしながら説明してくれた。結構なレアもので年に3つ程しか出回らないらしい。なんかそんな目の前で喜ばれると俺も欲しくなっちゃうな。
「なあ、咲俺もそのリング欲しいんだけど購買で二つに分かれたら一つ俺にくれないか?」
「あっ!私も欲しいな。春ちゃんちょうだい?」
真輝も便乗してきてらしい。まあ、誰だって欲しくなるか。
屋上で昼食を食べていた生徒も物欲しそうにこちらを見ている。
咲と春は悩む素振りも見せずに、了承してくれた。
「「ありがとう」」
咲と春に礼をいい、お弁当を食べる。
「これから購買行こうぜ、リング交換してもらうんだろ?」
弁当を食べ終わり、類の一言で購買に行くことになった。お昼すぎの購買はすいていてすんなりレジのおばちゃんのところまで行くことができた。
「おばちゃん!この指輪交換してくれ!」
「おう。今年も出たかい、購買の指輪が・・・。ちょっと取ってくるから少し待っててくれな。」
おばちゃんは指輪を取りに裏の扉に入って行った。
数分待つと手に二つの指輪を持ったおばちゃんが帰ってきた。
「はいよ。大事にしなさいお二人さん」
おばちゃんは俺と真輝がもらうことを分かっていたかのように、二人の手の平に指輪をおいた。
「「ありがとうございます」」
おばちゃんに礼を言って、俺たちは教室に戻った。
1000字はちゃんとパソコンが使いこなせない身からすると疲れますね・・・。2000字書いてやる!意気込みで書いたのですが、断念。
次の話は、満瑠の話です。
あと2話程で宇宙が魔法陣から落っこちます。
今日中に満瑠の話までは書きたいですね。がんばります。