満瑠の嘘 (満瑠目線)
笑顔で兄と別れたあと、小学校へ向かう。
「はぁ・・・」
学校に来ると、いつもため息が出てしまう。
私は学校に友達がいない・・・
作らないと言った方が正しいかもしれないが。
友達と遊んだり、話したりする必要がないから9年間友達という存在を作ってこなかった。
作ってもよかったけれど、いずれ私の事を忘れてしまうから。
私はこの世界の人間じゃないから。
私はこの世界の人間じゃない。
私は、勇者を探すためにこの世界にやってきた。
私のもといた世界「メノン」はこの世界と違って魔法が使えたり、獣人族や魔族がいるこの世界で言うファンタジーのような世界。メノンには主に3つも大陸があり、人間族、魔族、獣人族が3つの大陸に分かれて暮らしている。
そして私は人間族の大陸「アシア」の約80%を占める国「メテウス」の第3皇女ルティナ・ミチル・メテウスである。
そして3つの種族の中では争いが絶えない。
そのほかにも、エルフや精霊なんかもすんでいるが、争いを好まないためか争いには参加してこない。
私がここに来る前。魔族の住む魔国「カマラ」から、10年後魔王が誕生するというおふれが届いた。
魔族は一人ひとりが人間族より強い力を持っている。人間族はそれに数で対抗してきた。
しかし魔王となるとそうはいかない。魔王は強大な力を持っており、人間族は魔王を倒すために勇者を召喚してきた。
しかし勇者だって、適正がある。あまりにも不細工だったり、弱かったりしたら勇者として成り立たないのだ。
申し訳ないが召喚しても、勇者として適正がない勇者が召喚されたことも歴史上には数多く存在する。
しかし、今は召喚を10年に1回しか行うことができない。
その1回で、適正のない勇者が召喚された場合人間族が滅びてしまう。
だから、私はこの世界にやってきた。完璧な勇者になれる人材を探すために。
私が捨て子としてこの世界にやってきてもう9年。もうそろそろ勇者をつれて、故郷に帰らなければならない。
そして私は見つけた。完璧な勇者たちを・・・。
今回は、割込投稿となってしまいました。