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0話…生き残りの後悔。
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あれから、何年経っただろう。
この国は、平和になった。
彼女の……否、彼女達の働きがけのおかげで。
勿論最後の美味しいところは俺がやったが、それまでの道のりは、彼女らの命と引き換えに、積み重なっていた。
平和になってから、この国の人達の顔には笑顔が増えた。
これなら彼女達も、報われただろう。
そうでなければ、意味がない。
「ナルミ〜!」
「!お嬢様、お坊ちゃま、どうされましたか?」
庭の掃除をしていた俺に声をかけたのは、まだ幼い双子の姉弟。
俺はあれから、名前を変えて生きている。歳ももう60近い。
俺だけが、生きている。
俺だけが、生き残ってしまった。
「またね、ナルミの昔話が聞きたくて!」
「ナルミ、掃除が終わったら聞かせてよ!」
「……わかりました。では、急いで終わらせますね。」
俺の身分は今、執事長。
この家は、俺が好きだった彼女の師匠であった人の、そして仲間であった彼女の、親戚の家。
そこで俺は、生き延びている。
新しい仲間に恵まれ、新しい主人達と過ごしている。
だけど……
1番好きだった人達は、もういない。
掃除を終え、俺の部屋にて双子は待つ。
紅茶と茶菓子は忘れず用意し、俺も席につく。
「これは、数人の男女が国を変える為に、命を賭した話___」
これは、嘘のような本当の話。




