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最終話 僕の相棒
深夜のオフィスビル街。
ビルのロビーに、コツン、コツンと革靴の音が響く。
「佐々木です……」
静かな声で名乗り、打刻機の前で出勤処理を終えると、
紺色の制服に身を包んだ男は、警備室へと歩き出す。
佐々木光太。年齢不詳。都内某所で夜間警備を担当する男。
彼の体には、かつての倉田の血が流れ、彼の意思が今も宿っている。
佐々木の視線は街を隅々まで巡り、夜の静寂を守る。
「……おい、佐々木」
背後から丸まった小さな影。巽が声をかける。
「おう、巽。今夜も異常なしだ」
佐々木は小さく返事をし、巽の頭を撫でる。
「もうちょっと遅く歩けよ、俺が追いつけねえだろ」
巽はちょっとふくれっ面でつぶやくが、足取りは軽い。
「ごめん、ごめん…巽がいることたまに忘れちゃうんだよな。」
「誰がチビだと!」
佐々木は小さく笑う。
倉田の静けさは真似できないけれど、
巽とのやり取りで少しずつ、夜の街にも日常の温かさが混ざる。
「ふん、まあいいけどな。あんまり調子に乗るなよ」
巽は軽くツンツンと佐々木の背中を突く。
二人は横並びに肩を並べ、深夜の街を静かに歩く。
誰にも気づかれず、けれど確かに、街を守る存在として。
倉田さんシリーズ最終章✨
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