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⑤死神が嫌いな僕は、ただ街を歩く  作者: 志に異議アリ


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3/9

ルナの街



午後の陽光が小さな窓から差し込んだ書店で、ルナは魔法書を膝に置き、ゆっくりとページをめくっていた。


アルバは机の奥から短い足を器用に使いアルバ用のクッションをルナの肘元に近づけふうっと頭を乗せる。


「ねえアルバ、昨日の呪文の実験、成功したと思わない?」


ルナが微笑みながら問いかけると、アルバは軽く首を傾げ、無言で小さく鼻を鳴らす。


「まあ……でも失敗したほうが面白い発見もあるしね」


鳥のさえずりと風の音が静かに入り混じる、穏やかな朝だった。


アルバが伸びをして、机の上の魔道具を転がすと、ルナの肘にぶつかる。


ルナは笑いながらそれを拾い上げ

「もう……アルバ、ほんとに甘えん坊なんだから」




その瞬間、遠くの空が薄暗く歪むように色を変え、建物のシルエットが揺れた。


微かな振動が街全体に広がり、ルナは瞬時に立ち上がる。


「これは……!」


アルバが顔を窓辺に近づけ外を覗くと、街の中心方向から、黒く禍々しい影がゆらゆらと立ち上がるのが見えた。


「街が……壊れる……?」ルナの声は震える。


遠くに見える空の裂け目から、黒い光の塊が渦巻き、建物を押しつぶすように押し出されてくる。

瓦礫や煙が立ち上り、騒音が街を包み込む。


「アルバ、急いで!」

ルナは素早く呪文を唱え、魔法陣を描いて地面を揺らす。アルバは咄嗟に魔力の壁をくぐり抜けてルナの横に飛び込む。


遠くの方で、黒衣の影――死神――が笑う声が響く。


「クックックッ……面白くなってきたねえーん」


その瞬間、街の中心部に巨大な衝撃が走り、瓦礫の雨が降り注ぐ。


「……これ、ただ事じゃない……!」






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