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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第24章…デート

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楓ちゃんとデートします




―――




 朝だ。なんて清々しい朝なんだろう。すごくスッキリした、よく眠れた。

楓ちゃんの膝枕のおかげでよく眠れた。楓ちゃんの膝枕は神です。永遠に信仰します。


そして今日は休日だ。

朝食後、縁側に座って中庭を眺めながら少しのんびりする。



「涼くんっ!」


楓ちゃんがやってきて、俺のとなりに座る。



「涼くん、私今日は習い事ないから休みなんだよ。だから今日はずっと涼くんと一緒にいられるねっ!」


「そうか、それは嬉しいなぁ」



俺も最近は修業漬けだったし、楓ちゃんも習い事で忙しかったし、2人とも休みなのはかなり貴重だ。

2人の休日、大切に過ごしたい。



「なぁ、楓ちゃん」


「なに?」



「今日なんだけど……もしよかったら、俺とデートしないか!?」



言った。勇気を出して言ったぞ。勇気を出して楓ちゃんをデートに誘った。


楓ちゃんはパアァッと表情を嬉しそうに輝かせた。でもその直後、とても申し訳なさそうな表情に変わった。



「デートのお誘い、とっても嬉しいです。

でも……涼くん修業で疲れてるし、ゆっくり休んだ方がいいんじゃ……」


「楓ちゃん、俺に遠慮するなって言っただろ? それと同じだ。楓ちゃんも俺に遠慮しなくていいんだよ。

俺はどうしても、楓ちゃんとデートしたいんだ!」



「……うんっ! 私も行きたい! 行こっ!!」



楓ちゃんは天使の笑顔を見せてくれた。

そう、これだ。この可愛い笑顔が見たくて、俺は生きているんだ。



「……それじゃあ……どうしても涼くんとやりたいことがあるんだけど、いいかな……?」


「もちろん。楓ちゃんが望むならどこにでも行くしなんでもするよ」


「でも、涼くんはちょっと嫌がるかもしれないの」


「いいや、楓ちゃんと一緒ならイヤなもんなんてあるわけない」



楓ちゃんがそばにいてくれるなら宇宙でも深海でも行くぞ俺は。




 家の入口で楓ちゃんを待つ。

一緒に住んでるけどせっかくのデートだから待ち合わせしたいという話になって俺も楓ちゃんも賛成して家の前で待ち合わせすることになった。


せっかくのデートだから楓ちゃんは気合い入った可愛い服を着ると言ってたので着替えが終わるのを待つ。



「お待たせ、涼くん」


「……!!!!!!」



楓ちゃんの服、可愛すぎて心臓が焼き尽くされた。

全体的に清楚な雰囲気、それでいて妖艶な雰囲気も併せ持つ。雪景色のような白い素肌によく映える服装だ。

鎖骨に垂れ下がる美しい輝きのネックレスも、艶かしい胸元によく似合う。ちょっとだけ覗かせる胸の谷間も最高に扇情的だ。

フリルのついた可愛いミニスカート、白のニーハイソックスもすごくグッときてドキッとする可愛さ。

普段の制服も紺色のニーハイソックスで超可愛いし、今日の私服も純白なニーハイソックスで超可愛い。制服ニーハイも私服ニーハイも甲乙つけがたい。


とにかく可愛い可愛い可愛い。可愛すぎて語彙力が死んでる。



「可愛いよ、すごく似合ってるよ楓ちゃん!」


可愛すぎて無駄に大きな声を出してしまった。周りに人がいなくてよかった。楓ちゃんが可愛すぎてちょいちょい暴走機関車になっちまうから気をつけないと。



「ありがとう、涼くん……」


楓ちゃんは頬を真っ赤に染めて俯いた。可愛い可愛い可愛い。




 俺と楓ちゃんはデートに出かけた。

天気も快晴で絶好のデート日和、楓ちゃんと並びながら外を歩く。


……今歩いているこの場所、知ってる。

楓ちゃんの家から徒歩で行ける範囲の、人が多い繁華街。

この場所を歩いている時点で、楓ちゃんが今日何をやりたいのかがなんとなくわかってきた。



この場所は、例の山奥事件の日、雲母に連れ出された時に歩いた場所だ。



発信器がつけられているからあの日雲母と歩いたコースを楓ちゃんは知っている。そのコースをそのままなぞるように歩いている。



「……涼くん、気づいた……?」


楓ちゃんが心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。


「ああ、この前雲母と歩いた道と同じだ。雲母と行ったところをそのまま再現しようというわけか」


「うん、その通り。さすが涼くん。

高井雲母とやったことを()()()()()()()私で上書きする、上書きデートだよ」



なるほど、上書きデートか。

他の女とやったことのすべてを自分もやらないと気が済まない楓ちゃんがいつもやってる上書き作業だ。


あのトラウマの日と同じことをする、俺が嫌がるかもしれないと言ってたのはそういうことか。



「もちろん、涼くんがイヤなら今すぐ中止するけど……」


「いや、何も問題ない。やろう! そもそも山奥で修業してるんだから嫌がるかどうかとか今さらだし!

あの日のイヤな記憶を楓ちゃんとの想い出に変えられるなら俺も嬉しい!」


この上書きデート、俺にとっても願ったり叶ったりだ。イヤなわけない。俺も絶対にやりたい。



絶対にやりたい気持ちを行動で証明するために、俺は楓ちゃんの手を握った。しっかりと指に絡ませるようにして、恋人繋ぎで。



「涼くん……」


「あの日……雲母に手を握られてしまったからな、だからこうして楓ちゃんの手も握らないといけない。やるなら徹底的にちゃんと上書きする、だろ?」


「うんっ……!」



楓ちゃんは熱を帯びた瞳で俺を見上げながら優しく微笑んだ。しなやかで柔らかい手からも彼女の熱が伝わってくる。俺の手も彼女に負けないくらい熱を帯びているだろう。


楓ちゃんは照れて俯きながらも恋人繋ぎでそっと握り返してくれた。お互い恋人繋ぎをしたまま歩く。



これは、デートだ。間違いなくデート。楓ちゃんとデート。

雲母としたのは絶対にデートじゃないけど、楓ちゃんとしているのは絶対にデートだ。間違いない。


今日のデートは、あの日雲母と行ったところと同じところに行けばいいんだな。


あの日は確か、すげぇ高そうなカフェに行って、そのあとラブホに連れて行かれたんだったな。



…………


ん!? ラブホ……!?


ラブホテル!?


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