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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第23章…紙ヒコーキ

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楓ちゃんも修業場所に来ました




―――




 全校集会後、帰りの車の中。

楓ちゃんはこれ以上ないくらい機嫌が良さそうだった。学校ではあんなに完璧なお嬢様でいるのに、俺の前でだけ嬉しそうに表情を緩ませている。

悪い言い方をするのであればだらしない表情なんだろうけど、だらしなくていいんだよ。だらしなくて何が悪いんだよ、だらしなくても楓ちゃんは可愛すぎるよ。



「ふふふっ……」


「ゴキゲンだな楓ちゃん」


「うん、忌々しいお邪魔虫をやっと駆逐できて本当によかったと思ってる」



……つばきちゃんのことか。つばきちゃんと話してる時は本当にストレスすごそうだったからな楓ちゃん。

今日の集会のことは、楓ちゃんのためでもあるしつばきちゃんのためでもあるんだ。二度とキープ野郎にはなりたくないからな。



「涼くんがハッキリ言ってくれたおかげだよ。さすが涼くん!」


「いや、キミにさすがって言われるのはまだ早い。まだまだ早い。今までダメ男だった分はまだまだ全然返せてない。キミにさすがって言われるためにはまだまだまだ成長しないといけない」


「え~? 全校集会の涼くん完璧だったのにこれでまだまだなの? もっともっともっといい男になっちゃうの? まいっちゃうなぁ私」



楓ちゃんは頬に手を添えて照れた。可愛すぎ。

恋人が良すぎてまいっちゃうのは俺の方だよ、楓ちゃん。

キミがいるから、俺はいくらでも頑張れる。いくらでも向上心を強く持てる。




―――




 修業の休み1週間が終わった。

今日からまた2週間の修業が始まる。


この1週間はゆっくり身体を休める休息期間だったはずなのだが、まあその……楓ちゃんとヤりまくりで休息どころではありませんでした。


1週間腰を振り続けた。楓ちゃんの胎内の奥の奥を突き上げまくった。腰がヤバイのわかってて腰を酷使した。


これは仕方ない、楓ちゃん可愛すぎるから仕方ない。楓ちゃんのアレが気持ちよすぎるから仕方ないんだ。エロすぎて我慢できるわけがない。恋人関係になって枷がなくなった途端これだよ。我ながら呆れるが一切後悔はしていない。


学校の仕事、賢三さんの修業、そして楓ちゃんとのイチャラブ。

俺は全部やる!!!!!!

特に楓ちゃんとのイチャイチャラブラブは絶対に外してなるものか。たとえ手足がなくても俺は楓ちゃんを抱きしめるんだ。




 俺は超早朝に起きて、今日も賢三さんと一緒に修業場所であるあのトラウマな山に向かう。



「…………涼馬」


「は、はい」


「…………全然回復しておらぬではないか」


「すいません……」



車に乗っている途中、賢三さんにギロリと睨まれた。賢三さんがしゃべるのにけっこう間があるから怖い怖い。

賢三さんくらいになると、ちょっと見ただけで身体の状態がわかるんだろうな。はい、修業中とあまり変わらないくらいのコンディションです。


楓ちゃんとパンパンアンアンしまくっていること、賢三さんにはバレてるだろうな、一緒に住んでるし。



「……修業期間外は何をしようとキミの自由だが、そんな状態で修業はできるのかね?」


「はい、やります!!」


「……キミがどんな状態だろうが、容赦はせぬぞ」


「はい、もちろんです!!」



楓ちゃんが身体を許してくれてるのをいいことに俺の方から積極的に誘って抱きまくったんだ。こうなることがわかっててやったんだ。完全に俺の自己責任、自業自得だ。

覚悟を決めてる俺は今日も修業を頑張るぞ。




 というわけでトラウマの山に到着した。

1週間ぶりの山。少しは慣れてきたがまだ恐怖はある。

焦るな、少しずつ克服していくぞ。

俺は躊躇なく山に足を踏み入れた。


山の中に入る。俺は大きく深呼吸をして精神を落ちつける。



「うーん、夜じゃなくてもなかなか危険だねこの山」


「ああ、そうだな……

―――……

……」



!?



「えっ!? 楓ちゃん!?」



後ろを振り向くと楓ちゃんがいて俺はドキッと飛び跳ねた。

楓ちゃんは穏やかな笑顔で手を振っている。可愛すぎて連続でドキッとした。



「あ、あれ!? 楓ちゃん!? どうしてここに!?」


ここ修業場所の山だよな? 車で高速道路に乗って遠くに来てるはずだよな?

なんで楓ちゃんがここにいるんだ!?



「……えへへ、来ちゃった」


楓ちゃんは照れてモジモジしながらそう言った。

可愛い。可愛すぎる。『来ちゃった』の語尾にハートマークついてるだろうこれ。マジで可愛すぎか。



「いや、来ちゃったって……あ、あれ?」


「涼くんの修業が気になってどうしても見たくなっちゃって、だから来ちゃった」


「来てくれたのは全然構わないしむしろ嬉しいけど……どうやってここに?」


車には俺と賢三さんと中山さんしか乗ってなかったはずだ。来ちゃったって、どうやって来たんだ?


楓ちゃんはスッと指差す。指差す方向を見ると、俺たちが乗ってきた車の他に、もう一つ車が停車してあった。

その車の近くには使用人さんがいて、軽く頭を下げていた。



「あそこにいる宮本さんに運転してもらって、ついてきちゃった」


あの使用人さん宮本さんっていうのか。あの人が運転する車がずっとついてきてたってことか? マジか、俺、全然気づかなかった……


賢三さんをチラッと見ると、賢三さんは特に何の反応もしてなかった。賢三さんは後ろから車がついてきてることに気づいてたっぽいな。



「……楓。ついてくるのはいいが、修業の邪魔だけはするなよ」


「わかってますよおじい様、見学するだけです」



今日の修業は、楓ちゃんもいる……見学だけみたいだが、楓ちゃんに見てもらえるというのはとてもドキドキする。これはかっこ悪いとこ見せられない、楓ちゃんにかっこいいところ見せたい! より一層気を引き締めないと。



 というわけで楓ちゃんも見守る中、早朝の修業が始まった。


「では、今日の修業を始める」


「はい!」


「はい!」


賢三さんの言葉に、俺は力強く返事した。

楓ちゃんも同じように力強く返事してくれた。可愛い。



その時、俺たちの目の前をヒラヒラとした飛行物体が。

蛾だ。蛾が舞っている。まあ、ここ山の中だし蛾が出現してもおかしくないだろうな。蛾は夜の虫というイメージが強いが、早朝でも活動してることもあるだろう。


貝塚が持っていた蛾より小さい蛾だけど、小さくても存在感がすごい。



「キャーッ!?!?!?」



蛾の登場で、楓ちゃんは悲鳴を上げて俺に飛びつくように抱きついた。


っ!!!!!! いい匂いと柔らかい胸の感触が……!



「怖い、虫怖い! 涼くん助けて!」


「あ、あれ? 楓ちゃん、虫克服できたんじゃなかったっけ……!?」


「なんで!? 全然克服してないよ!?」


「いやだって、この前貝塚が蛾を持ってても全然怯まずに真正面からぶちのめしててかっこよかったから……」


「いやあれは涼くんを助けるために必死になってただけで、克服したことにはなってないよ!? 怖いよ助けて涼くん!」



楓ちゃんが俺を頼ってくれている……! 俺は役に立ちたい。

だが、今の俺は楓ちゃんの胸の柔らかさしか頭になかった。


蛾がまたヒラヒラと飛んで近づいてくる。



「いやーっ!」


楓ちゃんがさらに俺に抱きついてくる。楓ちゃんの豊満な胸が俺の顔面に押しつけられる。

俺は鼻血を噴いて気絶した……


…………

……



バチーン!!!!!!


「ぶふぉっ!?」



俺の意識は覚醒した。賢三さんにビンタされたからだ。これだけ速くて強いビンタ、どんなニブチンでも一瞬で覚醒せざるを得ない。直接脳を揺らされたよ。

賢三さんの手が大きくて、顎からこめかみにまでダメージが入った。



「これから修業を始めようという時に寝るとは、いい度胸してるな涼馬」


「すいません……!」



でも楓ちゃんの胸の破壊力ヤバすぎなんですよ! デカパイでボインでぷるんぷるんでたゆんたゆんなんですよ!! なんて言っても賢三さんには通用しないよな。


賢三さんは冷静にシッシッと蛾を追い払い、それから楓ちゃんをギロッと睨む。



「それから楓! 修業の邪魔をするのなら今すぐ帰りなさい」


「ごめんなさいおじい様、もうしません」



賢三さんに怒られて素直に謝る楓ちゃん。

おじいちゃんの言うことは素直に聞く、おじいちゃんっ子な楓ちゃん超可愛い。



「ごめんね涼くん、大丈夫……?」


「大丈夫大丈夫、賢三さんにシバかれるのはもう慣れてるから」



賢三さんのビンタはガチの激痛だったがおじいちゃんっ子な可愛い楓ちゃんを見れたから幸せだ。



「それでは仕切り直して、今日の修業を始める」


「はい!」


「はい!」


俺と楓ちゃんは力強く返事するところからやり直した。



「今日はまず、折り紙を折ってみようか」



「…………え……?」



お……折り紙……?


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