楓ちゃんと朝チュンしました
―――
―――朝か……
広い広い楓ちゃんの部屋に、朝日が差し込んできている。
楓ちゃんのベッドの上で目を覚ました。朝チュンというヤツではないか。
俺は楓ちゃんと一晩中、ずっとずっと交わっていた。どこまでも深く、奥の奥まで濃厚に交わった。お互いに、どこをどうすれば一番気持ちいいのかを確かめるように、何度も何度もいろいろな体位で交わった。
魂が抜けるほど気持ちよくて、キリのいいところでやめるなんてできるわけがなかった。極限まで楓ちゃんを求めて激しく絡み合ってしまった。
枕のすぐ近くには、使用済みのコンドームがいくつも散乱していた。
自分でも引くほどの大量の白濁液がゴムの袋に溜まっていた。どんだけ出したんだろうか俺は。自分の精巣の中にある精子のすべてを楓ちゃんに捧げるつもりで行為したからな、さすがに精巣が空になったんじゃないか。
俺は、コンドームが散らかってる方向とは逆方向を向いた。
「おはよ、涼くん」
ドキッ
「お、おはよ、楓ちゃん」
楓ちゃんはすでに起きていた。
近い……近い近い。楓ちゃんの整った可愛い顔がすごく近い!
お互い顔と顔が触れ合いそうな距離で、妖艶に微笑む楓ちゃんの艶かしい姿に、俺の心臓は朝っぱらから飛び跳ねた。
「涼くんの寝顔、たっぷりと目に焼きつけさせていただきました。すっごく可愛かったよ。目の保養、目の保養です」
「~~~……」
「すごく気持ちよさそうに眠ってたよ? 私とのエッチで、そんなにスッキリしてくれたのかな? だとしたら嬉しいなぁ」
「~~~!!!!!!」
クスクスと楽しそうに笑う楓ちゃん。楓ちゃんにはよく起こしてもらってるから寝顔を見られるのは今さらなんだが……楓ちゃんの言葉が完全に図星なんだ。
楓ちゃんと交わりまくって肉体的にも精神的にも超大満足で超スッキリして……会心の睡眠であった。地獄の修業をしていただけになおさら気持ちよく眠れた。
自分で自分の寝顔を見たわけではないが、絶対に締まりのないだらしない寝顔になってただろうなぁと思うと……
俺は照れくさいやら恥ずかしいやらで布団の中に潜った。
―――ああああああ!!!!!!
布団の中、楓ちゃんのいい匂いが籠もっている!! 極上の甘々フェロモンが充満していて、男の股間にめっちゃ効く。
さらに薄暗い布団の中は、楓ちゃんのたわわな乳が……
服は着ているが着衣が乱れまくってて、胸元が大きくはだけている。だからブラジャーも深い谷間もハッキリと見えてて……薄暗くてもよく見える……いや薄暗いからこそより扇情的になっている! エロすぎて脳内にピンクの汁が流されていく。
直近であれだけ楓ちゃんと身体を重ねたというのに、もうすでにムラムラと情欲が湧き上がっている。スッキリできたはずだよな、俺。溜まってくるの早すぎないか? 楓ちゃんとなら俺の性欲は無限なのか?
ヤバイヤバイ、撤退だ撤退。これ以上楓ちゃんのベッドの布団の中にいると刺激が強すぎてケダモノに化けてしまう。
俺は急いでスポッと布団から顔を出した。
―――チュッ
!!!!!!
オデコに、ぷるんとした柔らかい感触が。
布団から顔を出した瞬間、楓ちゃんにキスされた。
「涼くん……」
そして楓ちゃんは俺の首筋に顔を埋めた。楓ちゃんのいい匂いがいっぱい広がる。
俺の首に当たるサラサラでふわふわな金髪の感触が、くすぐったいながらも心地良くて気持ちいい。
「涼くん……好き……」
「~~~……ッ!!!!!!」
耳元で愛の言葉を囁かれる。可愛い声の囁きでゾクゾクと脳が蕩けた。
柔らかい唇の感触と愛の囁きで、俺の性的衝動に完全にスイッチが入った。
抱きしめずにはいられない。愛おしい感情が大爆発して俺は楓ちゃんを抱きしめた。
絶対に大切にするんだという気持ちと、絶対に離さないという強い気持ちで抱きしめた。
「楓ちゃんっ……!」
「涼くん……また元気になっちゃった?」
「っ……」
何も言い返せない。男の部分が極限まで元気に膨らんでいた。
搾り尽くされたはずなのに、こんなにギンギンに滾って……すっかり元通りじゃないか。
「楓ちゃん、その……もう一回、いいか……?」
「はい、喜んで」
朝、俺たちはまた深く深く交わった。
―――
ちょっとだけ、もう一回だけのつもりだったがやっぱり何回も繋がってしまった。
今日は学校なのに。朝から行為を重ねたおかげで遅刻寸前になってしまった。
「遅刻しそうなの初めてだよ、私」
そうだよな、楓ちゃんいつもすごく早起きだもんな。
「ごめん楓ちゃん、俺がもう一回シようって言ったから……しかも一回じゃ終われなかったし」
「ううん、涼くんは何も悪くないから。煽ったのは私だし了承したのも私だし。
それに、涼くんの方から求めてくれてすごく嬉しかった……遅刻したとしても絶対に後悔しない」
そう言ってくれるのは嬉しいけど本当に遅刻するわけにはいかないよな、楓ちゃんは生徒会長なんだから。
俺たちは急いで学校に行く支度をして、なんとかギリギリでいつもの時間に車を出発させることができた。
時間がなくても楓ちゃんは身だしなみもメイクもバッチリ仕上げてて、いつも通りの凛とした完璧なお嬢様だ。
こんなに完璧な女の子を、俺がベッドの上でたくさん乱れさせていたんだと思うと、また一部が熱くなってきた。
「涼くん……」
「どうした楓ちゃん」
「……私……涼くんの彼女になったんだよね……?」
「ああ、そうだよ。男に二言はない」
俺はハッキリと言い切った。運転手の中山さんもいるから少し恥ずかしいが、これだけは絶対にハッキリ言わないといけないんだ。
中山さんはいつも通りに淡々と運転しているが、少しだけ微笑ましそうにしているように見えた。
楓ちゃんは、ボンッ! と煙が発生したように顔を真っ赤に染め上げた。
「……ふふ……ふふふっ……」
「楓ちゃん?」
「ごめんね、涼くんの彼女になれたのが幸せすぎて、ついニヤニヤしちゃって……
本当に長年の夢だったから、ついに夢が叶ったんだなって……ふふふ……うふふっ……」
頬に手を添えて、恍惚とした表情をする楓ちゃん。
ちょっと病みモードかな。ちょっと怖いけど、病んでる楓ちゃんもたまらなく愛おしくて大好きだ。
そんなに幸せそうにされると、俺も幸せ過剰で昇天しそうになるよ。昨夜から何回イってんだよってくらいイってしまう。
「俺も今幸せすぎて頭おかしくなりそうだよ」
「……過去の女と付き合ってた頃より幸せ?」
「ああ、今の方が何億倍も幸せだ。比べるのもおこがましいくらい、楓ちゃんの方がよっぽどステキな女の子だよ」
俺は即答した。
楓ちゃんはまたボンッ! と煙が出るほど真っ赤になった。その反応マジで可愛すぎる。できれば動画撮影して永久保存したい。
「私は、涼くんの彼女です」
「ああ、俺は楓ちゃんの彼氏です」
再確認するように言い合った。彼氏、彼女……なんて良い響きなんだろう。何度言い合っても良いものだ。いつまでもいくらでも言い合いたい。
「……彼氏彼女の関係になっても、涼くんは私のペットだからね?」
「ああ、もちろん。俺は楓ちゃんの彼氏であってペットだし、楓ちゃんは俺の彼女であって飼い主様だ。それは変わらない」
正式に恋人な関係になっても、俺たちは今までと劇的に変わることはない。それでいいんだ。
俺はこれからもずっと楓ちゃんのペットである。




