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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第21章…修業

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楓ちゃんが添い寝してくれました




―――




 貝塚メノウとガラの悪い男どもは警察に逮捕されたらしい。

恐喝と暴行で普通に犯罪なので妥当である。


雲母も逮捕されてほしいという気持ちもあるんだが、あいつは貝塚を見限ったようだし、自分は被害者で貝塚に脅されて仕方なくやったということにしそうな気がする。

俺はあの女と長い間付き合っていたから、あの女がどう言い訳するかなんとなく予想できてしまう。忌々しい。


まあ雲母がどうなろうと、俺はもう二度と雲母に会う気はない。顔も見たくない。

今回のようなことには、二度とならない。




 次の日、今日も休日。

俺は楓ちゃんの部屋で、ベッドの上で安静にしていた。


暴行を受けてケガをしたんで、ガーゼや包帯があちこちに巻かれている。

お医者さんが来て手当てしてくれた。医療器具も部屋にほとんど揃っている。

さすが中条家だ。病院に行く必要ないのではと思うくらい設備が充実しすぎである。


俺は()()()()()()()にいる。

自分の部屋もあるんだから安静にするなら自分の部屋でいいはずなのに、楓ちゃんの部屋にいる。

なぜかというと……



「涼くん……」


ドキッ



横を向くと、すぐ近くに楓ちゃんのすごく整った可愛いお顔が。

とにかく近い。ドアップ。ドアップでまっすぐ見つめられている。


俺のとなりで、楓ちゃんが寝ている。

楓ちゃんと交わった時と同じ場所で、あの時と同じように楓ちゃんとベッドの上に……

身体は安静にしていても、心臓は安静にできるわけがない。

ドキドキドキドキと、リズムよく激しく鳴り響く。


俺がケガしたということで、楓ちゃんが介抱してあげると言ってくれたのだ。

で、今こうなっている。



「……なぁ楓ちゃん、介抱してくれるのは嬉しいけど、俺は別に大丈夫だぞ?」


ケガしたといっても、普通に日常生活をするくらいなら特に支障はないレベルだ。絶対安静と言われるほどではない。さすがに走ったり跳ねたりするのはキツイけどな。


俺が大丈夫だと言うと、楓ちゃんはムッとした表情をする。可愛い。



「ダメだよちゃんと安静にしてなきゃ。下手に動いたら死んじゃうかもしれないよ!」


「いや死なないよ!? そこまでの重傷じゃないから大丈夫だって、大げさだな」


「わかんないじゃん。すごくヤバイことになってるかもしれないじゃん。

たとえば高井や貝塚が変なウイルスとか持ってて、それが涼くんに感染したかもしれない……!

山奥でケガしたんだから、傷口から変なばい菌とか寄生虫とかに侵入されて、手足が壊死する可能性だってゼロじゃない……!

ああっ、怖い……怖すぎる……涼くんに何かあったらと思うと、心配で心配で怖いよ涼くん……!」


「考えすぎだよ楓ちゃん! 落ち着いて!」


楓ちゃんの目が黒く染まってきた。何度も見た病みモードだ。心配性かこれ。

貝塚をあっさり撃破した最強無敵の女の子と同一人物とは思えないくらい必死な表情でオロオロしている、そんな楓ちゃんもすごく可愛い。

暴力団みたいな連中は怖くないのに俺がケガしたのは怖がってくれるのか……俺の心はズキッと痛んだ。



「とにかく! 念のために、しっかり治るまでできる限り動かないようにして」


「……ありがとう楓ちゃん。……でも、それでなんでとなりで寝てるんだ?」


「そりゃもちろん、添い寝だよ。涼くんが安心して休めるように、私がずっと添い寝してあげる」


そ、添い寝か……楓ちゃんに添い寝してもらえるなんてすごく嬉しいし幸せだけど、刺激が強すぎて眠れる気がしないんだよな。

それに……俺なんかのためにここまでしてくれるなんて、恐れ多すぎるし申し訳なさすぎる。



「本当に何から何までありがとう、楓ちゃん。それから本当にごめん。昨日はあんなに迷惑かけちゃって……」


「迷惑なんてこれっぽっちも思ってないから、気にしないで。

……まあ、ラブホテルに入ったと知った時は正気じゃいられなかったけど」


「うっ……!」


俺はギクッとして全身冷たくなった。

やっぱり知られてたか……発信器ついてるもんな。発信器のおかげで居場所がわかって助かったんだから、ラブホテルの件だけバレないなんて都合のいいことがあるわけないよな。

うん、それで処刑されるのはわかってた。覚悟はできている。



「ああ、雲母とラブホテルに入っちまったのは紛れもない事実。申し開きのしようもございません。ケガが治ったら煮るなり焼くなり好きにしてくれ」


「いや、申し開きはできるでしょ?」


「えっ?」


「涼くんが入ったラブホテルの部屋にウチの調査員を向かわせて徹底的に調査させてもらったよ。

その結果、涼くんが高井と性行為した痕跡は一切見つからなかったと報告があった。だから涼くんはヤってないということがハッキリした。

さらにラブホテルの近辺で聞き込み調査も行って、高井が涼くんを殴って無理やりラブホテルに連れ込んだ現場を目撃していた人がいたこともわかった。

というわけで、涼くんは悪くない。涼くんを責めることはないから安心してね」


わぁ、中条グループすごい。警察みたいだ。やっぱりガチったらすごいんだな、さすが最強クラスの大企業。


「……でも、女にやられて連れ込まれたのが露呈したとなると、それはそれで俺が弱くて情けないという話になるわけで……今回の事件は俺が弱いのが原因ということになるから、結局俺が悪いんじゃないかと」


「いいの! 私が悪くないって判断したんだから涼くんは悪くないの! 異論は受けつけません」


「…………」



楓ちゃんは、やっぱり優しいな。怖いところもあるけど、俺が傷ついた時にはすごく優しく甘やかしてくれる……

でもその優しさが、時には俺の心を締めつけることもあるんだ。


俺はこのままではいけない……甘えてはいけない……

そう思いつつも、ケガをしてる今だけは楓ちゃんに甘えてもいいかな、って思う。ちょっとだけ、ちょっとだけだ。



「―――涼くん……」


「っ~~~!?」



楓ちゃんが唇を寄せてきた。そして俺の耳元で甘く囁く。

囁きボイスも可愛すぎて、脳が蕩けて気持ちいい。



「私、怖かったよ」


「えっ!?」


「昨日、涼くんが誘拐されたと知ってから、ずっと怖かった……

心配で心配で、不安でたまらなくて……ずっと泣きそうだった」


「そう……なのか……? 昨日の楓ちゃん、凛としててすごくかっこいいと思ったけど……」


「敵にナメられたくないから平静を装ってたけど、本当に怖かった」


「それを一切悟られなかったの、すごいと思うよ」


「そうかな?」


「そうだよ。本当に心配かけてごめん」


「いいんだよ。無事とは言えないけどこうして涼くんがそばにいてくれるだけで、私は幸せ……」



ぎゅっ


「!!!!!!」



楓ちゃんは俺を優しく包み込むように抱きしめた。

そして、柔らかい胸の感触が俺の腕に押し当てられる。俺の腕が、楓ちゃんの谷間に挟まれている。

当然、俺は大興奮する。これ絶対精神を安静にするの無理だって。安静の対極と言えるよこれ。


無事とは言えない……確かにそうだ。

暴行されたのもそうだが、俺には深刻な問題が出てきた。

俺、ED疑惑が出ているんだ。ラブホで雲母に勃起しなかった。昔はあんなにギンギンだった相手に勃たなかった。

だから今も勃たないんじゃないかという懸念が……



ムクムク、ムクムクッ


ビンビンッ



…………

いや、今の俺、超元気に勃起していた。


楓ちゃんのいい匂いと、楓ちゃんの乳房の感触を摂取して、凄まじい速度で男の部分に大量の血流が流し込まれて元気いっぱいに硬く大きくなった。

勃たないかもしれないという不安を一発でかき消すほどの元気モリモリ感。


俺、EDじゃなかった。よかった、超よかった。人生で一番安堵した瞬間と言ってもいいかもしれない。


じゃあなんで雲母には勃たなかったのか……



『わかんねぇのかよ、バカが!』



俺のムスコが直接脳内に語りかけてきた。ムスコにバカ呼ばわりされる俺の本体。


『俺、楓ちゃんじゃないと勃たなくなったから! もう他の女じゃ勃たねぇから!』



……!

楓ちゃんじゃないと勃たない……!

確かにそうだ。そうとしか思えないくらい、楓ちゃんにだけ超反応している。


いつの間にか、俺の股間は楓ちゃんに一途になっていたようだ。


俺の気持ち、想いが、キレイに晴れて固まった瞬間だった。

俺は楓ちゃんが好き、という一つの気持ちが。


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